エネルギーとしての“光”で新市場を創造するウシオ:本社移転に伴いショールームをオープン(1/2 ページ)
ウシオ電機は、本社移転に際して、光の機能と同社の製品を紹介するショールーム「USHIO COMMUNICATION LAB」をオープンする。このショールームは、LEDを使用した自然な光を提案するコーナーや製品サンプルの展示に加えて、光の基本的な機能を学ぶことができるのが特長だ。
ウシオ電機は2016年3月23日、本社移転に際して開設する、光の機能と同社の製品を紹介するショールーム「USHIO COMMUNICATION LAB」を公開した。ウシオ電機は現在、朝日生命大手町ビル(東京都千代田区)に本社を置くが、同ビルの再開発により、2016年3月28日より丸の内北口ビルディング(同)へ移転する予定。
USHIO COMMUNICATION LABは、光を明かりとしてだけでなく、エネルギーとして活用するウシオ電機のソリューションを知ることができる空間となっている。また、ウシオ電機グループのクリスティ・デジタル・システムズが展開する大型プロジェクターや、タブレット端末を通じて、インタラクティブに光の基本的な機能も学ぶことが可能だ。
USHIO COMMUNICATION LABのエリアは、光とは何かを知ることができる「Interactive Zone」、約30個の製品サンプルが展示されている「Products and Technologies Zone」、LEDを使用した自然な光を提案する「Akari Zone」、ミーティングや勉強会に利用できる「Communication Zone」に分かれている。
光で「加熱する」
ここでは、Products and Technologies Zoneから半導体製造プロセスに活用する製品をいくつか紹介する。最初に紹介するのは、加熱用として光を活用するハロゲンランプヒーターである。ハロゲンランプヒーターから放出される光のほとんどは、目に見えない赤外線である。赤外線は波長が長く、遠くまで光が届く。内部まで届いた赤外線によって、分子が分断され、そのときに生じる振動によって熱が発生する。投入電力の85%以上が熱に変換される効率的なエネルギー源という。食品加熱やコピー機のトナー定着、シリサイド形成などの半導体プロセスなどに使用されているとした。
光で「洗う」
次に紹介するのは、洗浄用として光を活用する真空紫外(VUV:Vacuum Ultra Violet)エキシマ光である。VUVエキシマ光は、172nmと短い波長で高エネルギーの紫外線となっており、酸素や有機物の分子を分解するVUVエキシマ光の性質を利用して、汚染物質を揮発させる。水や薬品による洗浄のように乾かす時間が必要なく、周囲への悪影響もないため、半導体や液晶パネルなどの精密部品に最適な洗浄方法という。
光で「描く」
次に紹介するのは、露光用として光を活用する高圧のUVランプだ。このUVランプは、半導体の製造プロセスで最も重要といわれる、微細な回路パターンを作成するフォトリソグラフィ技術において大きな役割を果たす。ウシオ電機は、500W〜35kWクラスまでラインアップをそろえ、生産性の向上や歩留まり改善に貢献するとした。
この他にも、ウシオ電機が注力しているとするライフサイエンス分野の光をはじめ、Products and Technologies Zoneに多くの製品が展示されている。
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