制御の世界の“黒船”、TwinCATでメイドを動かす:江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る(9)(5/13 ページ)
SOEMに限界を感じていた私は、ベッコフオートメーションのソフトウェアPLC「TwinCAT3」に手を出しました。そう、文字通り“手を出してしまった”のです。今回は、制御の世界に「黒船」を持ち込んできたTwinCAT3を使ってメイドを動かすまでの、私の苦闘と孤闘の全容をご覧いただければと思います。
【Step 1】PCにネットワークインタフェースカード(Network Interface Card:NIC)をもう1枚差せるPCIスロットがあるかを確認
TwinCAT3は、リアルタイム性能を保証するために、NICの種類に「うるさい」です。
私の場合、ノートPCのEthernetポートでは動いてくれませんでした。USB-Ehternet変換器なんぞ全くダメ。面倒を避けたければ、比較的性能の良い拡張PCIスロットのあるデスクトップPCを選ぶことをお勧めします。
【Step 2】EthernetのNICを1枚購入
原則Intelの純正NICなら大丈夫のようです。一応、こちらに、対応するIntel製ネットワークチップの一覧が掲載されています。
私のPCでは、インテル Gigabit CT Desktop Adapter EXPI9301CTが、動いています。
ま、ここはケチケチせずに、Intel純正のNICを購入しましょう。TwinCAT3をインストールした後で、NICが対応していないことが分かっても手遅れです。
【Step 3】Windowsシステムのフルバックアップ
本当にしつこいですが、再起動しないPCの前で青冷めるのって、本当に怖いですよ。完全に元に戻せるという安心感を持って、余裕のある作業をしましょう。
【Step 4】「Visual Studio(VS) 2010/2012/2013」のProfessional/Ultimate/Premiumのいずれかをインストール
これがないと、TwinCAT3でC++のプログラムが組めません。
そして、必ずTwinCAT3のインストールの前にインストールしてください。
ちなみに、私、これをTwinCAT3のインストール前に、インストールしなかったために、安定稼働中のTwinCAT3を、泣く泣くアンインストールしました(血の涙が出そうでした)。
私は深く考えずに、VS2012のPremiumをインストールしました。
Visual Studioは有償なのですが、試用期間(30日)中であれば、TwinCATで問題なく使えます。
「C/C++なんぞは使わん、ST言語だけで十分」という方は、このステップは飛ばしてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.