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レーザー照射で銅配線を形成、大気中で処理:複雑な回路も図面に合わせて照射するだけ(1/2 ページ)
芝浦工業大学の大石知司氏は、大気中で特定の銅錯体にレーザー光を当てるだけで、比較的簡単に微小な銅配線を形成できる技術を開発した。フレキシブルデバイスなどへの応用を進めていく。
芝浦工業大学 応用化学科の教授を務める大石知司氏は2016年3月、大気中で特定の銅錯体にレーザー光を当てるだけで、比較的簡単に微小な銅配線を形成できる技術を開発したと発表した。ディスプレイなどフレキシブルデバイスへの応用を進めていく。
電子ペーパーやデジタルサイネージなどの普及に伴って、印刷技術を用いて集積回路や電子デバイスを製造する「プリンタブルエレクトロニクス」が注目を集めている。この配線材料には、安価で導電性の高い銅を用いることが多い。ところが、銅は大気中で容易に酸化するため、真空環境下での作業が必要になるなど、製造設備のコストや作業性の点で課題もあった。
今回は、熱分解性を持つ銅錯体溶液を塗布したガラス基板にレーザーを照射し、銅錯体の化学反応を促した。連続照射することで銅を定着させることに成功した。これによって微細な銅配線を高速に形成できることを確認した。
真空設備不要で、線幅数十μmに対応
開発した技術は、真空設備など特別な環境や装置を必要とせず、大気中で銅配線を行うことができる。複雑な後処理も不要にした。現時点では線幅数十〜200μmで配線を形成できるという。レーザー照射部分をピンポイントで配線したり、図面の回路に合わせてレーザーを照射するだけで、複雑な回路を作製したりすることも可能である。
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