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NECと産総研、AI開発加速させる連携研究室設立「未知の状況下での意思決定を可能に」(1/2 ページ)

NECと産業技術総合研究所は、2016年6月1日から人工知能(AI)を活用した「未知の状況下での意思決定」を可能にする技術の開発を行う連携研究室を設立すると発表した。

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 NECと産業技術総合研究所(産総研)は2016年4月4日、同年6月1日から産総研人工知能研究センター内に「産総研−NEC 人工知能連携研究室」を設立すると発表した。同連携研究室は、NECの人工知能(以下、AI)技術と産総研のシミュレーション技術を融合することで、「未知の状況下での意思決定」を可能にする技術の開発を行うという。これにより、過去データが十分に収集できない社会的課題の解決を目指すとする。

3つのプロジェクトを推進

 具体的なプロジェクトとしては、「シミュレーション・機械学習融合」「シミュレーション・自動推論融合」「自律型AI間挙動調整」の3つを挙げる。シミュレーション・機械学習融合は、シミュレーションと機械学習技術を融合により、“データが取れない/取りにくい”大規模な災害や新製品設計における意思決定の高度化を進める。


未知の状況での意思決定支援に関する応用例。左の図では、シミュレーションと機械学習/自動推論を融合することで、データの取りにくい大規模な災害や、過去の事例がない新製品設計の意思決定を支援することを表している。右の図は、3つ目のプロジェクトの説明図であり、異なる目的で運用されているAI間でも、お互いに通信/交渉を行うことで、自動運転車同士が衝突しないように調整することを表している (クリックで拡大) 出典:NEC

 シミュレーション・自動推論融合は、シミュレーションと自動推論を組み合わせることで、未知の状況に対する意思決定の支援を目的としている。例えば、産業現場において、運用マニュアルに適する情報がなかったとしても、その場の状況に適した対応策を提示し、オペレーターの判断を支援することなどへの応用が考えられる。


産業現場における応用例 (クリックで拡大) 出典:大阪大学

 3つ目の自律型AI間挙動調整は、AIが乱立する社会での安心/安全/効率/公平の実現を目指す。AIが社会に広く普及するには、異なる目的で運用されているAI間でも挙動を調整できる仕組みが必要だ。このプロジェクトでは、AI間が通信/交渉をすることで自動挙動調整を行う技術の開発を進めていくとした。

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