ナノアンペア級の微小電流波形が見える新計測器:1mA以下はノイズに埋もれてたけれど(3/3 ページ)
Keysight Technologies(キーサイト・テクノロジー)は2016年4月5日、ナノアンペアレベルの微小な電流波形を取得できる計測器「デバイス電流波形アナライザ CX3300シリーズ」を発表した。
タッチGUIに、多彩な解析機能も
CX3300シリーズ本体は、マルチタッチ対応14.1型タッチパネルを採用し、直感的なGUIで簡単に操作できる点も特長。電流波形の任意の部分を拡大表示する「どこでもズーム解析」なども簡単なタッチ操作だけで行える。他にも解析機能として、スペクトラム解析機能やCCDF(Complementary Cumulative Distribution Function)解析機能などを備える。「こうした解析も、これまでは不可能だったもの。こうした解析機能を使うことで、新たなデバイスの低消費電力化技術などが生まれることを期待している」(製品開発に携わった里方昭彦氏)という。
他にもオプションとして、電圧測定プローブ接続用アダプターやトリガー用の10MΩデジタルチャンネルなども用意。電圧波形の取り込みや電力解析、デバイスの動作ステートに同期した波形解析なども1台で行えるようになる。
CX3300シリーズは、2チャンネルのCX3322Aと、4チャンネルのCX3324Aの2種がある。価格は、CX3322Aの最小構成(対応周波数帯域幅50MHz、メモリ容量16メガポイント/チャンネル)で440万円から、CX3324Aは同540万円から。メモリ容量は最大256メガポイント/チャンネルまで対応する。専用電流センサーは別売りで価格は、63万〜91万円となっている。なお、出荷開始は、2016年6月を予定している。
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