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インタビュー

「計測器メーカーとしてゼネラリストではいけない」日本NI新社長 コラーナ マンディップ シング氏(1/2 ページ)

システム開発ソフトウェア「LabVIEW」を中核とする計測プラットフォームを提供する日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)。同社では2016年4月1日付で代表取締役が交代し、池田亮太氏に代わって、コラーナ マンディップ シング氏が就任した。

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 コラーナ マンディップ シング氏は1995年に、アプリケーションエンジニアとして日本NIに入社して以来、営業やマーケティング、事業開発などを経験。今回、代表取締役に就任するまでは、取締役および営業統括本部長を務めていた。

 2000年以降、約15年にわたり日本NIの代表取締役を務めてきた池田氏は、今後はNational Instruments(NI)のAPAC(アジア/パシフィック)担当マーケティングディレクタとして、日本を含むアジア太平洋地域の事業拡大に注力する。

パートナー各社の技術力強化に貢献したい


日本NIの代表取締役に就任したコラーナ マンディップ シング氏

 コラーナ氏は、これまで池田氏が築いてきた日本のパートナー企業との関係性を引き継ぎつつ、今後はパートナー各社の技術力の強化に努めたいと話す。「現在国内には、“アライアンスパートナー*)”が約40社いる。パートナー企業については2つの戦略があり、1つはパートナー企業の数を増やすこと。もう1つは、各パートナー企業の技術力の強化に貢献することだ」(コラーナ氏)。

 National Instruments(NI)のアライアンスパートナーは条件を満たせば、単なるパートナーではなく、特定分野の専門性を持ったパートナーとして認定される。「電子設計専門性」「組み込み制御専門性」「RFおよび無線専門性」といった具合だ。例えば国内では、ペリテックやアベルナ・ジャパンが「RFおよび無線専門性」を持つパートナーとして認定されている。コラーナ氏は、こうした専門性を持つ認定パートナーを増やすことで、ユーザーが抱える技術的課題の解決に貢献したいと強調した。

*)NIの計測プラットフォームを使用して開発した製品をユーザーに販売する企業で、NIが認定する。

 コラーナ氏は、日本NIとしての今後の年間平均成長率(CAGR)や売上高など具体的な数値は明かさなかったものの、「成長という言葉はNIのDNAの中に刻み込まれている」として、継続的に成長させることを示唆した。成長を実現するに当たり、コラーナ氏は「メーカー各社がビジネスを絞り込んでいく中、計測器メーカー/テスト装置ベンダーとしてゼネラリストではいけない」と主張する。

 同氏は、「ビジネスが絞り込まれて注力分野が狭くなると、ニッチな要求も出てくる。当社はパートナーを通じて、そうした細かい要求に応えてプラットフォームを作り込むことができる。それにより、当社の顧客が、製品投入までの時間(Time-to-Market)やプロトタイプを制作する時間などを短縮することに貢献できる。日本の企業が競争力を増して世界で戦うために必要な技術を、当社は持っていると確信している」と続け、“1つのものがあらゆる要求に対応できる”プラットフォームの強みを生かしたいと強調した。

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