NICT、新中長期計画実現へ3つの強化策を発表:人工知能研究を加速へ(1/2 ページ)
情報通信研究機構(NICT)は第4期中長期計画のスタートを受けて、「戦略的研究開発強化」「オープンイノベーション拠点機能強化」「グローバル展開強化」の3つの強化を進めると発表した。
情報通信研究機構(NICT)は、2016年4月1日から2021年3月31日までの5年間における第4期中長期計画をスタートした。それに伴い、「戦略的研究開発強化」「オープンイノベーション拠点機能強化」「グローバル展開強化」の3つの強化に取り組むという。
戦略的研究開発強化では、1)ソーシャルICT革命による先進的な未来社会の実現、2)研究開発プロジェクト化による推進と挑戦的フロンティアの融合、3)政府戦略プロジェクトへの積極的参画/外部競争研究資金などの獲得強化を挙げる。
先進的な未来社会の実現に向けては、「観(み)る」「繋(つな)ぐ」「創る」「守る」「拓(ひら)く」の5つの領域に着目する。“創る”の領域では、新たに人工知能と脳情報の一体型研究を実施する。NICT理事の伊丹俊八氏は、「脳情報の研究は今まで“拓く”に該当していたが、次世代のAIという位置付けもあるため、今後は一体的に研究を行う」と語る。
“守る”領域では、従来の「ネットワークセキュリティ」から「サイバーセキュリティ」へ研究テーマを切り替え、仮想空間全般にわたるセキュリティの研究を実施する。同時にセキュリティ人材育成研究センターも新たに設けた。
外部資金の獲得策として、内閣府が進めるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とImPACT(革新的研究開発推進プログラム)への参加も進めるとする。
オープンイノベーション推進本部を設立
オープンイノベーション拠点機能強化では、1)オープンイノベーション推進本部の設立、2)NICTをプラットフォームとするオープンイノベーション型プロジェクト群の強化、3)ソーシャルビッグデータ、人工知能研究開発の戦略化を挙げる。
伊丹氏は、「オープンイノベーション推進本部を設立したことで、NICT全体として産学連携/地域連携/グローバル連携を一体的に行っていく」と語る。NICTをプラットフォームとしたオープンイノベーション型プロジェクトとしては、音声翻訳プロジェクト(NTT、パナソニック他12社)、Wi-SUNアライアンス(74社)などがある。
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