レーザーはんだ付け、卓上型をシステムで提案:局所加熱で弱耐熱部品もはんだ付け作業を自動化
パナソニック プロダクションエンジニアリングは、「Photonix2016−第16回 光・レーザー技術展−」で、卓上レーザーはんだ付け装置を参考出展した。弱耐熱部品などのはんだ付け作業を自動化することが可能になるという。
パナソニック プロダクションエンジニアリングは、「Photonix2016−第16回 光・レーザー技術展−」(2016年4月6〜8日、東京ビッグサイト)で、卓上レーザーはんだ付け装置を参考出展した。弱耐熱部品などこれまで手作業でしか行うことができなかったはんだ付け作業の効率化、品質改善などが可能になるという。
卓上レーザーはんだ付け装置は、これまで販売してきたコンパクト接合レーザー「CBシリーズ」をベースに、はんだ送りユニットやロボット部及び制御部、放射温度計、光ファイバーなどを組み合わせてシステムで提供する。
CBシリーズは、最大出力が75Wの「CB5」、30Wの「CB3」、10Wの「CB1F」と、3製品を用意している。レーザー出力波形やショットモードなどを事前に登録しておけば、はんだ付けや樹脂溶着などさまざまな用途向けに最適な照射条件を容易に設定することができるという。
光学系は、レーザー伝送光ファイバーと光学部品の組み合わせにより、スポット径0.2〜3.6mmあるいは0.4〜7.2mm、焦点距離は25〜150mmなど、加工条件に応じて選択することができる。また、CB5とCB3は放射温度計を接続することが可能である。これにより、指定した温度でオンオフ制御を行えば、加工部分の過熱や焦げを防止することができる。
「もともと社内の生産技術部門を母体とした会社であり、はんだ付けプロセスを十分に理解した技術者がシステム開発や技術サポートを行っている」(説明員)と話す。卓上レーザーはんだ付け装置も、量産ラインに設置されたリフロー炉では対応できない光ピックアップやイメージセンサーモジュールなどのはんだ付け作業用として開発し、関連する製造ラインで活用されてきた。
具体的には、イメージセンサーやバックアップ用電池など熱耐性が低い電子部品や、これまで手作業で行うしかなかったシールドケース、セラミックハウジングの端子、リード線などのはんだ付け作業を自動化することが可能となる。作業の効率改善や省人化に加えて、「はんだ付け工程において、作業者個人の熟練度による品質のばらつきも抑えることができる」(説明員)という。
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