0.03μm2のSRAMから最先端のIII-V族FinFETまで:「VLSI技術シンポジウム 2016」プレビュー(1/5 ページ)
米国ハワイで2016年6月13〜16日に開催される「VLSI Symposia on VLSI Technology and Circuits(以下、VLSIシンポジウム)」は、最先端の半導体デバイス/回路技術が一堂に会する国際会議だ。VLSIシンポジウムを実行するVLSIシンポジウム委員会は4月20日、都内で記者説明会を開催し、同イベントの概要と注目論文を紹介した。
VLSIシンポジウムは、毎年6月に開催される。開催地は米国ハワイか京都で、西暦で偶数年はハワイ、奇数年は京都となっている(つまり2015年は京都で開催された)。VLSIシンポジウムは、半導体デバイス技術に焦点を当てる「VLSI技術シンポジウム(Symposium on VLSI Technology)」と、回路技術が中心となる「VLSI回路シンポジウム(Symposium on VLSI Circuits)」の2つで構成される。この2つが同時開催されるようになったのは1987年からで、ことしはVLSI回路シンポジウムの30周年に当たる。
今回のVLSIシンポジウムには、「スマート社会に向けた変革の予兆」という全体のテーマが設けられている。これを軸に、IoT(モノのインターネット)、センサー、クラウド、車載エレクトロニクス向けの技術論文が発表される。
技術シンポジウム、論文の採択状況
まず、VLSI技術シンポジウムにおける論文の採択状況が説明された。今回、投稿された論文数は214件で、採択数は85件。採択率は40%で、過去10年の実績と変わりない。
国別では欧州がトップで49件、2位の米国が48件、日本は25件で3位である。VLSI技術シンポジウム委員長の稲葉聡氏によると、ここ数年の傾向として米国、韓国は横ばいで日本は減少、欧州と台湾は増加しているという。
ただ、日本からの論文は採択率が5割と高く、「優秀な論文が提出されている」と稲葉氏は説明する。
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