IoTで実現する“頑張らない介護”とは一体何なのか:Z-Works社長の小川誠氏に聞く(1/3 ページ)
頑張る介護は2年が限界だ――。Z-Works社長の小川誠氏はこう語る。同社は、センサーやクラウドなどを活用した明日からでも使えるIoTシステム「LiveConnect」を通じて、“頑張らない介護”の実現を目指している。2016年2月には、総務省の「I-Challenge!」にも採択されるなど、注目を集める同社。小川氏に、LiveConnectとは何か、“頑張らない介護”とは何かインタビューを行った。
「頑張る介護は2年が限界。センサーやクラウドを活用したIoTで“頑張らない介護”の実現を目指す」――2015年4月30日に設立されたベンチャー企業「Z-Works」社長の小川誠氏は、スマートIoT推進フォーラム 第1回合同部会に登壇し、こう話した。
センサーを活用した見守りサービスは各社展開しているが、“頑張らない介護”という言葉を目にしたのは初めてのことだった。同社が展開するIoTサービスとは、“頑張らない介護”とは一体何なのだろうか。小川氏にインタビューを行った。
明日からでも使えるIoTシステムを
Z-Worksは、無線規格「Z-Wave」を利用したホームセンサーシステム「LiveConnect」を提供している。LiveConnectは、海外で普及する人感/温度/照度などを検知できるZ-Wave対応センサー(日本でも使えるように技適マークを取得している)、自社開発のゲートウェイ、クラウド、スマートフォンアプリを用意し、「IoTをやりたけど何をしたらいいか分からない人に向けて、明日からでも使えるIoTシステムを提供する」(小川氏)としている。
小川氏は、もともとシリコンバレーの半導体メーカーで働いていた経歴を持ち、現在は、スマートホーム向けに海外で普及が進むZ-Waveのエバンジェリストとしても活動している。Z-Waveはサブギガヘルツ帯を用いた無線規格であり、2.4GHz帯を使用するWi-FiやBluetooth Low Energy(BLE)と干渉しなかったり、メッシュネットワークにより150m四方をカバーできたりする。他にも、認証済みの製品は互換性を持つことや、1台のゲートウェイで200種類以上のZ-Wave端末を接続できることなどが特長である。
小川氏によると、海外ではホームセキュリティとしてスマートホームの導入が進んでいる。治安が悪い/銃社会という環境の中で、自衛が当たり前のように人々の認識として存在するからだ。また、通信キャリアが加入者を引き留めるために、マルチサービスとしてスマートホームキットを格安で提供している。その価格は、専業でセキュリティ事業を展開する企業よりも半額以下であるため、手軽に入手することが可能だ。日本でも通信キャリア各社が電力事業を始めているが、そのイメージに近い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.