トレックス、シリコンバレーにR&Dセンターを開設:コイル一体型DC-DCコンバーターでIoTを狙う(1/2 ページ)
トレックス・セミコンダクターは2016年4月29日(米国時間)、米国法人のTOREX USAの一部門として米国カリフォルニア州サニーベールにR&Dセンターを開設し、その開所セレモニーを同州サンタクララのホテル「Hyatt Regency Santa Clara」で開催した。
トレックス・セミコンダクター(以下、トレックス)は2016年1月にR&Dセンターの開設を発表、既にTOREX USAでは、先行開発のためのマーケティング活動を始めたとした。
R&Dセンターは、米国のPlug and Playが提供するインキュベーション施設(サニーベール)の一角に設けられている。
現在、R&Dセンターにはディレクターを務める市場弘児(いちば こうじ)氏と、主任エンジニアの羽根功真(はね のりまさ)氏、シニアスタッフエンジニアの大久保誠寛(おおくぼ あきひろ)氏とRaymond C Yan氏の4人が常駐していて、今後採用活動を進める。市場氏はプロジェクトマネジメントなどを担当し、エンジニアの羽根氏、大久保氏、Yan氏の3人が設計を担当している。
市場氏は、セレモニーで、サンフランシスコとシリコンバレーの面積は、カリフォルニア州全体の1.2%にすぎず、人口も10%以下にもかかわらず、ベンチャーキャピタルなどから多額の資金が投入されていることに言及し、「サンフランシスコやシリコンバレーは“価値を生み出す”場所だ。多くの大手企業が存在するこの地には大きな可能性がある。トレックスが、この可能性にどのように機会を見いだすかが重要になる」と語った。
ターゲットはIoT
R&Dセンターのターゲット市場の1つがIoT(モノのインターネット)だ。市場氏は「トレックス製品の特長は小型、低消費電力、低ノイズだ。これはそのままIoT機器の要件であり、当社の製品を生かせる市場である」と説明する。
鍵となる製品が、同社の主力製品で「micro DC-DCコンバーター」である。特に、コイルを一体型することで小型化を実現した「XCLシリーズ」は、ウェアラブル機器から車載機器まで、さまざまな用途で引き合いを得ているという。現在は、2.25×1.5×0.75mmと超小型ながら700mAの負荷電流を実現する「XCL223シリーズ」「XCL224シリーズ」を開発中だ。
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