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トレックス、シリコンバレーにR&Dセンターを開設:コイル一体型DC-DCコンバーターでIoTを狙う(2/2 ページ)
トレックス・セミコンダクターは2016年4月29日(米国時間)、米国法人のTOREX USAの一部門として米国カリフォルニア州サニーベールにR&Dセンターを開設し、その開所セレモニーを同州サンタクララのホテル「Hyatt Regency Santa Clara」で開催した。
シリコンバレーR&Dセンター「多くの意義」
市場氏は、IoTとは切り離せない要素としてビッグデータを挙げ、同市場に関連する売上高の約38%はハードウェアからきていることに言及。トレックスの製品のターゲット市場として大きな可能性があることを示唆した。同氏は「ビッグデータ市場向けには、より高電圧、高電流のDC-DCコンバーターICが必要になる。2016年中には入力電圧が36Vまで可能な製品を発表する予定だ」と述べた。さらに、入力電圧が60Vまで可能な製品の開発も進める。
TOREX USAのCOO(最高執行責任者)である山本智晴氏は、「シリコンバレーでは、入ってくる情報量が圧倒的に多い。米国の顧客との距離が近くなるなど、R&Dセンターをシリコンバレーに構えることには多くの意義がある」と語った。
「スタートアップやリーディング企業との連携深める」
トレックスの社長である芝宮孝司氏はセレモニーで「変化が激しい電子業界において、アナログ電源ICのスペシャリストとして20年以上、この事業を継続してきた。われわれの得意とする低消費電力、小型という特長を生かして、業界に貢献できたと考えている。今回、R&Dセンターをシリコンバレーに開設したことで、現地のスタートアップやリーディング企業との連携を深めつつ、より付加価値の高い製品開発を促進していく」と語った。
【取材協力:トレックス・セミコンダクター】
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