必要ならばデグレードも、中国メーカーの柔軟さ:製品分解で探るアジアの新トレンド(5)(1/3 ページ)
今回焦点を当てるのはBaidu(百度)である。“中国のGoogle”とも呼ばれる同社の製品では、ネットワークメディアプレーヤー「影棒」が話題だ。その影棒を分解し、チップの性能を見てみると、中国メーカーの臨機応変さが浮かび上がってくる。
飛躍する“中国のGoogle”
Baidu(百度)といえば、1999年に設立され、2000年に創業を開始した中国大手の情報・通信会社である。検索エンジンとして中国では広く利用されている。サービスの幅は広く、“中国のGoogle”ともいわれる。
Googleが「NEXUS」シリーズでハードウェアの提供を開始し、レファレンスモデルとしてのトレンドを作るようになっておおよそ6年が経過した。BaiduもGoogleらと同じく、ハードウェアを提供している。
今回はBaiduのネットワークメディアプレーヤー「影棒」を取り上げよう。影棒シリーズは2013年に初代のスティックタイプが発売され、当時から話題を呼んだ。Baiduまでもがハードウェアに進出するという点と、日本円で5000円以下という破格の値段で、スティック型コンピュータとして機能するという点が大いに注目されたからだ。
2014年に発売された2代目「影棒2」では、スティック型から据え置き型になっている。一般的なテレビやディスプレイに接続し、Android OSを搭載したコンピュータとして扱うことができる。
今回紹介する「影棒3」は2015年に発表された製品である。BaiduのHPには、さらに改造された「影棒2S」「影棒2+」などの新製品が2016年になってから掲載されているので、続々と改良が加えられているのだろう。
図1は「影棒3」の外観だ。若干大き目の筐体だがシンプルな曲線デザインは好感が持てる。
影棒3は楕円形に近いデザインの本体と操作を行うためのリモコンだけという簡単な構成である。Googleの「Nexus Player」や「Chromecast」、Appleの「Apple TV」とほぼ同じ構成だと考えてもらえばよい。リモコンを含めた操作性の高さもApple製品とほぼ同等である。
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