マウザーが世界で拡販、日本製部品の調達強化:日本オフィス開設から1年、さらなる拡大目指す(1/2 ページ)
Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は、日本市場での事業拡大に向けて、2016年第3四半期(7〜9月)より、日本の拠点を本社直属の事業部門とする。日本市場での顧客獲得に加え、日本製電子部品の調達機能を強化していく。
日本での売上高、2015年16.5%伸長
Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は2016年5月31日、東京都内で記者会見し、日本市場での事業拡大に向けて、日本オフィスを新たな体制にすることを発表した。2016年第3四半期(7〜9月)より、日本の拠点を本社直属の事業部門とする。日本市場での顧客獲得に加え、日本の電子部品メーカーなどからの調達機能を強化していく。
Mouser Electronicsは、米国テキサス州の本社を置く、IC/半導体素子や電子部品の販売代理店である。特に、デザインエンジニアリングとR&Dに焦点を当てた、NPI(New Product Introduction)と呼ばれる新製品の市場導入/供給プロセスに強みを持つ。また、販売代理店ながら、マーケティング業務にも注力する。こうしたビジネスモデルで、競合他社との差異化を図る。
日本市場では、1年前の2015年6月に日本オフィス(マウザー ジャパン)を開設した。日本の設計技術者や仕入れ担当者に対して、最新の部品/部材情報を提供するカスタマーサービスを行ってきた。これらの活動が、短期間で成果に結びついた。同社でAPAC(アジア太平洋)及びEMEA(欧州、中東、アフリカ)地区を担当するシニアバイスプレジデントのMark Burr-Lonnon氏は、「2015年には日本での売上高が前年に比べて16.5%増加した」と話す。
売上高10億米ドルのうち1割は日本メーカー製品か
Mouser Electronicsは2016年の全社売上高として約10億米ドルを予測する。このうち、約10%が、TDKやパナソニック、ローム、村田製作所など日本企業の製品売り上げである。しかしながら、日系電子部品メーカーの世界シェアは、コンデンサーや抵抗、コイルなどの受動部品で約51%、マイクロモーターや音響部品などの変換部品は約76%と圧倒的に強い。日本での体制見直しは、日本企業製電子部品の製品取引をさらに拡大し、世界市場で拡販していく狙いがある。すでに30社近い日本の電子部品メーカーと代理店契約を結び、日本製品を世界市場に供給している。「2016年中には、新たに大手電子部品メーカー2社と代理店契約を結ぶことになろう」(Burr-Lonnon氏)という。
Mouser Electronicsは現在、全世界に顧客サポート拠点を22カ所、マーケティング拠点を7カ所それぞれ設置して、現地の顧客が手掛ける製品設計や開発を支援している。日本オフィスにも、カスタマーサービス部隊とマーケティング部隊が在籍し、それぞれ対応してきた。2016年第3四半期から日本拠点は、1つの事業部門として独立し、本社直属で機能することになる。Burr-Lonnon氏によれば、「日本の支社長名も2016年7月には発表できる」予定である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.