マウザーが世界で拡販、日本製部品の調達強化:日本オフィス開設から1年、さらなる拡大目指す(2/2 ページ)
Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は、日本市場での事業拡大に向けて、2016年第3四半期(7〜9月)より、日本の拠点を本社直属の事業部門とする。日本市場での顧客獲得に加え、日本製電子部品の調達機能を強化していく。
APACでの売り上げ比率は約20%
Mouser Electronicsの売上高は、2000〜2015年の年平均成長率が20.4%と、高い成長率を継続している。2016年も前年比8%の増加を見込む。このうちAPACの売上高は2億米ドルを超える規模となる。全世界におけるAPACの売上高構成比は約20%となる。
倉庫拡大投資を継続
Mouser Electronicsの強みは、より広範で豊富な在庫品を保有していることである。米国本社の倉庫面積は、2016年初頭に完成した第1期分で、2万3226m2が拡張され、合計5万7000m2となった。引き続き第2期分を拡張工事中だという。
在庫部品の総数は約69万3000製品(固有サプライヤー部品番号数)。このうち半導体デバイスの在庫数は11万7900製品にも上る。顧客はこれらの製品を1個から購入することができるという。
日本での新規顧客開拓、調達機能を強化へ
引き続き、Mouser Electronicsのエグゼクティブアドバイザーを務める横伸二氏が、マウザー ジャパンのミッションについて紹介した。「日本市場における事業拡大」と「Mouser Electronicsのネットワークを通じて日本製電子部品を世界市場で拡販すること」の2点を挙げた。
日本市場における事業拡大については、機器の設計期間を3〜4週間に短縮するための部品調達システム、ベンチャー企業や「オタク技術者」などと呼ばれる、手の届かない潜在顧客にアプローチするための部品調達インフラ、などを提供することによって、新たな顧客開拓に結び付ける。
もう1つは前述のように、日本製電子部品を世界市場で、さらに拡販していくことである。このために、部品メーカーがカバーしきれなかった潜在顧客に対して、Mouser Electronicsのウェブサイトなどを通じてアプローチしていく。少量のサンプル要求に対しても、マウザーモデルを活用して迅速に対応していくという。部品メーカーにとって、「Mouser Electronicsは信頼できるマーケティング委託会社」であることを浸透させていく。横氏は、「マウザーモデルとは、電子部品を売るのではなく、時間と利便性を売るビジネスである」と述べた。
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