ドコモ、移動体通信特許でファーウェイと契約:規格必須特許をライセンス供与
NTTドコモは、移動体通信技術に関する規格必須特許について、Huawei(ファーウェイ)とライセンス契約を結んだ。
ライセンス先企業を拡大
NTTドコモは2016年6月、Huawei(ファーウェイ)と、移動体通信技術に関する規格必須特許のライセンス契約を結んだ。NTTドコモから該当する必須特許のライセンスを受けている企業は、すでに10社を超えているという。
NTTドコモは、これまでにW-CDMAやLTE、LTE-Advanced、さらには第5世代移動通信(5G)などのネットワーク高度化関連技術、新サービス関連技術などの研究開発を積極的に進めてきた。こうした結果、NTTドコモが保有する特許数は、2014年度末時点で国内約5300件、海外約9300件に達している。特に、LTE方式移動通信システムに関わる特許「基地局装置、送信方法および通信システム」は、スマートフォンなどの携帯端末が、従来に比べて基地局からの信号を短時間で受信できる技術である。全世界の主要な国で特許として登録されており、ITUの国際標準規格にも採用されている技術だという。
NTTドコモは、LTEなどの無線技術以外にも、AVC/H.264やHEVC/H.265、AACなどの符号化技術や関連する技術の標準化活動に参画している。この中でNTTドコモは、標準規格に対する技術提案を行い、関連する特許を取得してきた。これらさまざまな特許は、NTTドコモとの個別交渉に加え、複数の特許権者が保有する必須特許を、一括してライセンスする仕組みである「特許プール」などを活用して、ライセンス活動を展開している。
NTTドコモは、これからも継続して知的財産を強化し、国内外における競争力を高めていく。同時に、取得した必須特許については、特許プール及び個別交渉を通じて、ライセンス活動を展開していく方針を示した。
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