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すべてのIoTデバイスに「Bluetooth」を製造業×IoT キーマンインタビュー(3/3 ページ)

「IoTのすべてをターゲットにしている」。こう語るのは、今やWi-Fiに並んで、最も普及する無線「Bluetooth」の規格策定団体トップを務めるマーク・パウエル氏だ。2017年初めまでには、IoTをターゲットにした新規格「Bluetooth 5」をリリースすることも発表した。Bluetoothは、乱立するIoT向け無線規格の中で、果たして勝ち抜けるのか? 同氏にIoTに向けたBluetoothの展望を聞いた。

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IoTはBluetoothにとって大きなチャンスをもたらす

EETJ あらためてお聞きしますが、Bluetooth、Bluetooth SIGにとって、IoTはどのような位置付けのものなのでしょうか。

パウエル氏 Bluetoothにとって、大きなチャンスを与えてくれるものに違いない。今後、Bluetoothの進化は、IoTに向けたものが多くなるだろう。

 1つ断っておきたいが、IoTに注力するが、従来の用途をおろそかにするわけではない、これまでの用途にプラスして、IoTでの普及を目指す。

 先ほど、セキュリティの強化の話をしたが、ワイヤレススピーカーでは、高度なセキュリティなど今後も必要ではないだろう。そこに、高度なセキュリティを押し付けてしまえば、チップ価格も高くなり、消費電力増大の要因ともなり、負荷になる。Bluetoothは、高度なセキュリティが必要であればその機能を選択し、不要であれば外せるという選択肢を開発者に与えている。IoTデバイスのためだけでなく、あらゆる要望に応えられる無線として進化していく。

ターゲットは2020年、140億台

EETJ IoT領域で、今後どのようにBluetoothは普及していくとお考えですか。

パウエル氏 調査会社のABI Researchによると、2020年には450億台のIoT機器が使われるとしている。われわれは、その450億台のうちの3分の1に相当する140億台のIoT機器にBluetoothが搭載されると予想し、目標にしている。

さらなる技術革新へ努力

EETJ 2020年、IoTデバイスの3台に1台がBluetoothを搭載するために、今後、Bluetooth SIGとして必要なことは何でしょうか。

パウエル氏 テクノロジーとしては、Bluetooth 5および、メッシュ機能のリリースで基本的な部分は、そろったと考えている。

 とはいえ、Bluetoothの強みは、誰も想像することのできないような新しいことを実現することにあると考えており、今後も、新しい挑戦を続けていく。もちろん、開発サポートなどもより良くしていくことも変わらない。

 そして、もう1つは、メンバー数3万社の規模にふさわしい組織へと変革を図っていく。これは、Bluetooth SIGに限った話ではないが、規模に応じて常に組織体制を替えなければならない。さまざまな業種、規模の企業がメンバーとなる中で、各メンバーにとって、常にベストプラクティスな組織を作り、イノベーションを成し遂げていきたい。

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