最新規格「Bluetooth 4.2」発表、セキュリティと転送速度が向上:無線通信技術
Bluetooth SIGは、Bluetoothの最新仕様となる「Bluetooth 4.2」を発表した。プライバシー保護の強化、転送速度の高速化を実現している他、インターネットに直接、接続できるようになる。
Bluetooth SIGは2014年12月3日(米国時間)、Bluetoothの最新仕様として「Bluetooth 4.2」を策定したと発表した。主なアップデートとしては、プライバシー保護の強化、転送速度の高速化の他、IPv6および6LoWPANを介してインターネットに直接、接続できるようになる。
プライバシー保護の強化
Bluetooth 4.2では、政府機関に要求される高いレベルのセキュリティ基準(Federal Information Processing Standard:連邦情報処理規格)に対応するプライバシー保護を実現している。これにより、Bluetoothに接続されている機器の不正なトラッキングを防ぎ、プライバシーの制御をユーザー自身で管理できるようになるという。例えば、ビーコンを利用している店舗で買い物をする際、ビーコンからの通知をあらかじめ機器側が許可しない限り、トラッキングされることはない。
転送速度の向上
Bluetooth 4.2では、Bluetooth Smart(低消費電力に対応したBluetooth Low Energyのブランド名)に対応した機器とのデータ転送速度と信頼性を向上している。Bluetooth 4.1に比べてパケットの容量を10倍に増やしたことで、機器のデータ転送速度が最大2.5倍に向上するという。これにより、送信エラーの発生頻度も減るので、より効率の高い接続性を実現できる。
インターネット接続
Bluetooth Smartの各種センサーをIPv6および6LoWPANを介してインターネットに直接、接続できるようになる。これにより、スマートホームなどにおいて、Bluetoothのネットワークを、より構築しやすくなるという。インターネット接続のプロファイルについては、2014年末までに策定される予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- まさにIoT向け、勢い伸ばすBluetooth 4.1
モノのインターネット(IoT)の追い風に乗って、Bluetooth搭載製品が大幅に増加している。約1年前に策定が完了したBluetooth 4.1は、低消費電力という特性に加え、多くのスマートフォンに搭載されている実績、メッシュ型トポロジの採用など、IoTの実現に適した規格となっている。 - Bluetooth 4.1が切り開く新しいIoTの世界――“あらゆるモノのインターネット”
2010年に発表されたBluetooth Smartは、モノのインターネット(IoT)の担い手となった。2013年12月に策定が完了したBluetooth 4.1は、IoTをさらに一歩進め、「1対1」だけでなく「1対多数」の接続を実現している。全てのモノが常時つながる“あらゆるモノのインターネット”時代が本格的に到来しようとしている今、Bluetooth 4.1がその根幹となる技術として注目を集めている。 - Bluetoothの新用途が続々登場、2018年には対応機器が320億個に
低消費電力のBluetooth 4.0が正式に策定されてから、Bluetoothの用途は確実に広がった。2018年には、Bluetoothに対応した機器が320億個に到達すると予測されている。さらなる普及には、「モノのインターネット(IoT)」がカギになりそうだ。 - Bluetooth 4.1の策定が完了
Bluetooth SIG(Special Interest Group)は2013年12月5日、最新仕様「Bluetooth 4.1」が策定されたと発表した。 - 60GHz帯で高速化狙うBluetooth、UWB技術の未来は閉ざされたか
Bluetooth規格の標準化団体である「Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)」は、WiMedia Allianceから取得したUWB(Ultra Wide Band)の技術仕様を利用する計画を見送った。