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標準化進むセルラーIoT、モジュールは低価格にIoT機器がスマホを上回る時代に備えて(1/3 ページ)

IoT(モノのインターネット)機器をモバイルネットワークに接続する「セルラーIoT」の標準化が進んでいる。エリクソン・ジャパンは2016年6月16日に横浜市で記者説明会を開催し、セルラーIoTの技術解説やデモを行った。

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低消費電力で広範囲をカバーするLPWA


エリクソン・ジャパンの吉田奈穂子氏

 Ericssonの日本法人であるエリクソン・ジャパン エンゲージメント・プラクティス統括本部 モバイル・ブロードバンド部門の吉田奈穂子氏は、「スマートシティーやヘルスケア、農業などさまざまなIoT(モノのインターネット)分野における付加価値は、2020年には世界全体で200兆円に上ると予想されており、何か大きなことが始まる兆しが見えている」と語った。さらに、2018年には、PC/スマートフォン/タブレット端末以外のコネクテッドデバイスの数が、PC/スマートフォン/タブレット端末を上回るとの予測も紹介した。


コネクテッドデバイスの成長予測(クリックで拡大) 出典:エリクソン・ジャパン

 このようにコネクテッドデバイスが増加する中、通信速度を低く抑え、その分、低電力で広い範囲をカバーできるネットワークの構築や規格化が進んでいる。「LPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク」と呼ばれるもので、免許不要のISM帯(アンライセンスバンド)を利用するSigfoxやLoRaなどが急成長している。

 LPWAネットワークの中でEricssonが力を入れているのが、モバイルデータ通信ネットワークを利用する「セルラーIoT」だ。Ericssonは、VerizonやAT&Tなどの通信事業者や、IntelやQualcommといったチップセット/モジュールベンダーなどと協力し、セルラーIoT向けの製品開発や実証実験を行っている。

 3GPPでは、セルラーIoTとして、「LTE Cat-0」をRelease 12で標準化、「LTE Cat-M1」をRelease 13で標準化している。これらに加え、「NB(Narrow Band)-IoT」も標準化の最終段階に入っている。吉田氏は、3GPPをベースにしたこれらのネットワークは、アンライセンスバンドのLPWAネットワークに比べて、高い品質と信頼性を確保できる点が強みだと述べる。


3GPPをベースにしたセルラーIoTの標準化(クリックで拡大) 出典:エリクソン・ジャパン

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