モバイル機器のフラッシュストレージ:福田昭のストレージ通信(37) Micronが考えるメモリシステムの現状と将来(1)(1/2 ページ)
2016年5月にパリで開催されたばかりの「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」から、Micron Technologyが解説したメモリシステムについて紹介する。
ありとあらゆるものがネットワークを介してつながる世界
半導体メモリの研究開発に関する国際学会「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」が、2016年5月15日〜18日にフランスのパリ市で開催された。15日は基礎講座(ショートコース)の開催日で、半導体メモリに関する7本の講演が午前8時から午後5時にかけて実施された。その中でMicron TechnologyのFellowであるWill Akin氏が、「Memory System Overview」と題してメモリシステムの現状と将来を用途別に解説した。その概要を、数回に分けてお届けする。
2016年の現在、ありとあらゆるものがネットワークにつながりつつある。そしてありとあらゆるものが、ネットワークを介してデータをやりとりする世界「コネクテッド・ワールド」が出現した。今回の講演ではコネクテッド・ワールドを構成する要素の中で、「モバイル・デバイス」と「自動車」「データセンター/エンタープライズ」の3つの分野に絞ってメモリシステムを説明したい。
現在、ありとあらゆるものがネットワークにつながりつつある。そしてありとあらゆるものが、ネットワークを介してデータをやりとりする世界「コネクテッド・ワールド」が出現した(クリックで拡大) 出典:Micron Technology
モバイル機器のDRAMとフラッシュメモリ
はじめは「モバイル・デバイス」のメモリシステムを解説しよう。モバイル・デバイスに使われるメモリには、DRAMやフラッシュメモリ・モジュールなどがある。スマートフォンとメディアタブレットのハイエンドモデルは低消費電力版DRAMでも高速品を載せる。LPDDR4 DRAMやLPDDR3 DRAMなどである。エントリーモデルのDRAMは安価なLPDDR2 DRAMあるいはLPDDR DRAMとなる。フラッシュメモリ・モジュールにはいずれも、超小型モジュールのeMMC(embedded Multi Media Card)やUFS(Universal Flash Storage)などを載せる。
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