リモートカメラの自動追尾は多様な学びを創造する:議事録の収録を活性化?(1/2 ページ)
パナソニック AVCネットワークス社は2016年6月28日、イベントやスポーツ施設などで活用されるリモートカメラの新しい技術「人物自動追尾ソフトウェア」に関するセミナーを開催した。
POE+に対応
パナソニック AVCネットワークス社は2016年6月28日、リモートカメラの人物自動追尾ソフトウェアに関する技術セミナーを開催した。リモートカメラとは、防犯カメラのようにデータを扱うのではなく、画質などコンテンツ自体を重視したカメラである。
離れた場所からの操作が可能のため、撮影の省人化、制作コストの軽減を実現できる。イベントやコンサートホール、スポーツ施設などで活用。「お天気カメラ」として、よくテレビで見る風景もリモートカメラから映し出されている。
同社のリモートカメラの特長として、放送機器で培ってきた画質のクオリティーと、モーター制御を工夫することで実現した高い操作性、IP(Internet Protocol)ネットワークによる運用性を挙げる。同社プロAVマーケティング部システムソリューション営業課の米澤功浩氏によると、「IPネットワークでは、POE+(IEEE 802.3at)に対応し、ケーブルからの給電が可能だ。水平解像度は1000本」となっている。
講義の収録などに
同社が説明を行った自動追尾ソフトウェアは、リモートカメラを活用したソリューションの1つである。講義の収録などに向き、講師を自動で追尾してくれるため、オペレーターや講師の負担が減り、低コストで既存のシステムに追加可能とする。同ソフトウェアはPC専用であり、4つのコア技術によって成り立つ。
1つ目は、「動き・頭部検出」である。追尾開始時には、カメラ画像の直前のコマとの差分を抽出。動きのある部分のみを抽出し、ガボールフィルターで縦形状の変化を検出する。検出した縦形状の上部を“頭候補”として推定するといった流れだ。追尾中の際は、頭部周辺にのみガボールフィルターを使用することで、負荷を軽減するという。
2つ目は、「テンプレートマッチング」。テンプレートマッチングでは、現在のコマと直前の10コマの差分を計算し、差分が少なければ同一の頭部であると判断する。
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