ADAS用センサー市場規模、2020年1兆4千億円超へ:ADAS用カメラは6800億円市場か(1/2 ページ)
矢野経済研究所は2016年7月、ADAS用センサーユニットの市場規模に関する調査結果を公表した。
矢野経済研究所が調査結果を公表
先進運転支援システム(ADAS)用センサーの世界市場規模は、1兆4475億円に達する――。
矢野経済研究所は2016年7月、ADASに使用するキーデバイス/コンポーネントに関する調査結果を公表した。
同社ではADASを、自動車の前方、後方、側面に装着したセンサーデバイスにより、車両周辺状況を検知し、事故を未然に防ぐシステムと定義。ADAS用キーデバイス/コンポーネントとは、車両の周囲に搭載されるセンサーユニットを指し、ミリ波や準ミリ波レーダー、カメラ、赤外線レーザー、ナイトビジョン、超音波センサーなどが含まれ、今回の調査は、乗用車と車両重量3.5トン以下の商用車に搭載されるものを対象にしている。
2015年の市場規模は4327億円
それによると、2015年におけるADAS用キーデバイス/コンポーネントの世界市場規模(自動車部品メーカー[ティア1]出荷金額ベース)は4327億円で、前年より39.5%成長し、「2015年から本格的な拡大基調に入り、ADAS装着車が日米欧で急増している」(同社)と指摘する。
2016年以降の市場規模については、米国で2022年までに主要自動車メーカーの新車に対し緊急自動ブレーキ(AEB)搭載義務化の動きがあるなど、日米欧でのADASの標準搭載化が進むことを背景に拡大すると予想。2014年から2020年までの市場規模の年平均成長率(CAGR)は29.3%とし、2020年における世界市場規模は1兆4475億円を超えるとした。
ADAS用カメラのCAGRは43.5%か
デバイス/コンポーネント別にみると、最も市場規模が大きいのが、ADAS用カメラ(駐車支援用ビューカメラなどドライバー向け映像用カメラは含まない)だとする。ADAS用カメラの2015年市場規模は1511億円。カメラを使った運転支援機能の種類が増え、自動車1台当たりの搭載点数も増える見込みで、2014〜2020年のCAGRはADAS用センサーとして最も高い43.6%を予想。2020年にはADAS用カメラ市場は6800億円規模に達するという。
ミリ波レーダー、コストダウン見込まれるも27.8%成長へ
2020年にカメラに次ぐ市場規模となるのが、76G〜77GHz帯周波数を使用するミリ波レーダーだ。2019年以降にCMOSプロセスを適用したミリ波レーダーの製品投入が進み、検知距離100m以下の周辺監視向けショートレンジレーダー(SRR)に使われると予想。車両1台当たりに搭載されるミリ波レーダー数は5〜6個になるという。24G〜25GHz帯を使う準ミリ波レーダーからの置き換えは2020年以降に進むという。ただ、需要拡大とともにコストダウンが進むとみて、2014〜2020年のCAGR27.8%を予想。その結果、2020年市場規模は3884億円と推定している。
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