東芝とWD、18年までに3D NANDに約1.4兆円投資へ:2016年上期に64層品のサンプル出荷を開始予定(2/2 ページ)
東芝とウエスタンデジタルコーポ―レーション(WD)は2016年7月15日、3次元構造のNAND型フラッシュメモリを製造する四日市工場新第2製造棟「N-Y2」(三重県四日市市)の完成イベントを開催した。
ウエスタンデジタルCEO「約50億米ドル」
ウエスタンデジタルCEOのスティーブ・ミリガン氏は「両社は、半導体業界で最も成功したパートナーシップである。四日市工場の高い生産能力は、世界に誇るべきことである。今後も、高いコミットメントを図ることで、世界に勝てると考えている。そのため、当社も2018年までに約50億米ドル、3D NANDに投資する予定である」とした。つまり、両社は2018年までに約1.4兆円を3D NANDに投じることになる。
2016年上期に64層品のサンプル出荷を開始予定
3D NAND固有の製造工程に特化するN-Y2は、既存の製造棟である第3、第4製造棟(Y3、Y4)と連携。Y3、Y4でウエハー加工を行い、N-Y2で積層するといった連携生産を行うことで投資額を削減しているという。
また、2005年から開始しているクリーンルームの搬送システムの自動化を強化。300mmウエハー対応の4つの製造棟を統合した生産システムを採用した。これにより、1日当たり16億件のビッグデータが発生しているという。そのため、2016年からディープラーニングを活用したツールを導入し、生産性、歩留まり、信頼性向上に向けた分析、制御を進めている。同社は「ビッグデータ・AI技術は、ストレージ需要拡大の起爆剤」としている。
東芝によると、さらなる3D技術の高集積度化、コスト競争力を強化し、2016年上期に3D NANDの第3世代品のサンプル出荷を始める予定。積層数は、第2世代の48層から64層に増えるという。
【取材協力:ウエスタンデジタル】
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