東芝、3D NAND製造用に四日市工場の敷地を拡張:30億円で隣接地を取得
東芝は、3次元NAND型フラッシュメモリの製造に向け、四日市工場の敷地を拡張すべく、同工場の隣接地を取得すると発表した。
東芝は2016年2月2日、同社の3次元NAND型フラッシュメモリ(3D NANDフラッシュ)「BiCS FLASH」の製造施設の建設に備え、四日市工場(三重県四日市市)の隣接地を取得することを決定したと発表した。
対象となるのは、四日市工場の東側と北側の土地で、取得面積は約15万m2、取得費用は約30億円を予定しているという。取得後は、2016年度末までに土地造成を完了する予定だ。
新しい製造棟の建設時期や生産能力、生産設備への投資などに関する具体的な計画については、市場動向を見ながら2016年度中に決定するとしている。
四日市工場では、3D NANDフラッシュ特有の製造工程を実施するための製造棟として、新・第2製造棟を建設中だ。2015年10月には、この製造棟の一部が完成したと発表している。ただ、将来的な需要拡大に対応するには新たに3D NANDフラッシュ専用工程の製造棟と建設する必要がある。既存の敷地内には、製造棟を新たに建設するスペースがないため、2次元NAND型フラッシュメモリから3D NANDフラッシュへの切り替えが必要になった際、製造棟を速やかに建設できるよう、隣接地の取得を決定したという。
東芝は、2015年12月に行った戦略説明会で、ストレージ事業とエネルギー関連事業に注力すると発表している*)。民生事業を大幅に縮小し、好調だったヘルスケア事業を手放す東芝にとって、ストレージ事業は“命綱”ともなっている。
*)関連記事:東芝 民生大幅縮小、虎の子ヘルスケア売却で生き残り
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