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「SEMICON West 2016」、2年連続のマイナス成長となる半導体産業(前編)福田昭のデバイス通信(79)(1/2 ページ)

米国で開催された「SEMICON West 2016」の記者説明会から、SEMIによる半導体の市場動向を紹介する。前編となる今回は、半導体デバイスと半導体製造装置の市場動向について説明する。

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PCとスマートフォンのけん引力が弱まる

 半導体製造装置と半導体製造用材料に関する北米最大の展示会「SEMICON West 2016」が開催された。会期は7月12〜14日の3日間、会場は米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーンセンター(Moscone Center)である。本コラムの前回でご紹介したように、主催者のSEMI(半導体製造装置・材料協会)は、初日(7月12日)の朝に報道機関およびアナリストに向けた説明会を開催した。前回では説明会から、「SEMICON West 2016」の概要を報告した。今回は、SEMIの代表者が語った半導体デバイスと半導体製造装置、半導体製造用材料の市場動向をご紹介する。語ったのはSEMIで産業調査・統計担当シニアディレクターをつとめるDan Tracy氏である。

 Tracy氏は始めに、半導体デバイスの市場動向を説明した。過去に半導体デバイスの市場成長をけん引してきたのはPC、そして携帯電話機(特にスマートフォン)である。しかしPCの世界出荷台数はメディアタブレットを含めても、2015年から対前年比で減少に転じている。携帯電話機の世界出荷台数はまだ伸びているものの、成長率は鈍化しつつある。2011年には50%を超える極めて高い成長率を記録したものの、2015年の成長率は15%に下がった。2016年の成長率は10%を割り込むとみられる。


PC(ネットブックとメディアタブレットを含む)(右下)と携帯電話機(左上)の世界出荷台数の推移。2015年までは実績、2016年は予測(クリックで拡大) 出典:SEMI

 このように、半導体市場をけん引する主要なアプリケーションの力が弱まってきたことを反映して昨年(2015年)の世界半導体市場(金額ベース)は対前年比0.2%減となった。今年(2016年)も世界半導体市場の減少傾向は止まらない。同2.6%減と2年連続でマイナス成長となる見込みだ。


世界半導体市場(金額ベース)と成長率の推移。2015年までは実績、2016年は予測(クリックで拡大) 出典:SEMI

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