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データセンター/エンタープライズの性能を支えるSSD:福田昭のストレージ通信(41) Micronが考えるメモリシステムの将来(5)(2/2 ページ)
今回からはデータセンター/エンタープライズ用のメモリシステムを解説する。データセンターの各クラスタで使われるフラッシュストレージや、サーバ向けとストレージ向けで使われるメモリを紹介する。
メモリ階層のピラミッドが重なる
エンタープライズ用ストレージとメモリの応用分野を階層表示すると、頂点には、ストレージのすぐ近傍でコンピューティングを実行する「StorePute」がくる。その直下が、データセンター用サーバ層である。それからネットワーク層、パーソナルコンピューティング(PC)層、モバイル機器層、センサープラットフォーム/組み込みシステム/ウェアラブルシステム層と降りていく。
そして各階層が、メモリ階層のピラミッドを形成している。プロセッサ(レジスタ)、キャッシュ、主記憶、ストレージなどによるピラミッド構造である。
SSDとクロスポイントが勢力を拡大
最後に、データセンター/エンタープライズサーバに載るメモリとストレージの比率を2020年まで展望してみせた。メモリとストレージの両方の領域で、クロスポイントメモリが勢力を伸ばすとみる。HDDは減少し、特に高速品はほぼなくなっていく。残るのはアーカイブ用途の安価なHDDとなる。NANDフラッシュメモリを載せたSSDは、堅調に市場を拡大していく。
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