IoTの裾野を広げる無線センサー開発キット:購入すればIoTをすぐ体験できる(2/2 ページ)
Silicon Laboratories(シリコン・ラボラトリーズ)は2016年7月、無線センサー端末などIoT(モノのインターネット)端末のプロトタイプを短期間、低コストで実現できる開発キットを発売した。IoTシステムのプロトタイプ構築用途やホビーユーザーなど幅広く展開していく。
“パインウッドダービーカー”同梱版も
Thunderboard Reactの価格は、29米ドル(現状の国内販売価格は約3800円[税別])に抑えた。さらに、海外で愛好家の多い“パインウッドダービーカー”を同梱したキットも販売(価格は59米ドル)している。
傾斜を利用して走らせるパインウッドダービーカーの中に、Thunderboard Reactボードを装着し、ホールセンサーでタイヤの回転数や、モーションセンサーで車体のバランスなどのデータを取得でき、“より走るパインウッドダービーカー”の製作を手助けする。
「Thunderboard Reactは、ホビーユーザーもターゲットであり、パインウッドダービーカー付きセットはその一例」(水谷氏)と、これまでシリコンラボがあまりターゲットとしなかった層へのアプローチも行う。
Thunderboard Reactとスターターボードをつなげた様子(左)と、Thunderboard Reactをパインウッドダービーカーのシャシーに実装したところ(右)。Thunderboard Reactは別売りのスターターボードを接続することで開発環境と接続できソフトウェアの書き換えなどが行える (クリックで拡大)
「もちろん、本格的にThunderboard ReactをベースにIoT端末開発が行えるよう回路図やソフトウェア開発環境も用意している。Thunderboard Reactをきっかけに、BGM111やBlue Geckoの販売数が増えることが目的ではあるが、1人でも多くの人が、IoTやGeckoに親しみを感じてもらえれば。今後もThunderboard ReactのようなIoTの入り口となる製品を開発、販売し、IoTの裾野を広げていく」(深田氏)としている。
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