笑う人工知能 〜あなたは記事に踊らされている〜:Over the AI ――AIの向こう側に(3)(6/8 ページ)
AI(人工知能)に関する記事は、メディアにあふれ返っています。私は「これらの記事では“人工知能”のことがさっぱり分からん」との結論に至りましたが、では、人工知能を技術的に理解している人は実際どれだけいるのでしょうか。ざっくり推定すると、なんと、例えば「深層学習」を理解している人は50万人のうち4人、という結果を得たのです。
"IF 江端 THEN 男前"、"IF 江端 THEN 博識"
では、ここからは後半になります。
この連載の後半は、「私の身の回りの出来事」を使った、「数式ゼロ」のAI解説になります。
今回は、前半に登場してくる自然言語解析の延長上として位置付けられる、「エキスパートシステム」について説明したいと思います。
そしていつも通り、「エキスパートシステム」が“人工知能”なのかどうか」については、今回も『江端AIドクトリン』に基づいて私が判定しました。
エキスパートシステムというのは、一言で言えば「今、持っている知識の活用」です。逆に言えば「新しい発想(創作)なんかしない」ということです*)。
*)というか、「創作する"人工知能技術"なんて、現時点では一つも存在しない」というのが私の持論ですが。
で、その「今、持っている知識」を、どのように(どんな形式で)コンピュータに教え込むかというのが、実は大問題なのです ―― コンピュータって本当に救い難いくらいバカだから ―― です。
エキスパートシステムで使われている方法には、大きく以下の3つがあります。
(1)"IF 江端 THEN 男前"、"IF 江端 THEN 博識"という感じで、世界の事実(真実)を片っぱしからメモしていくもの
⇒プロダクションシステム:知識を、物事の因果関係で記述するもの
(2)"江端 → 男前", "男前 → 博識", "博識 → "人工知能技術"に精通"という感じで、階層関係を次々とリンク(線)で描いていくもの
⇒意味ネットワーク:世界をノードと線で表現するもの
(3)上記の"江端 is 男前"から始まるひとまとまりを、江端の属性としてフレームという形でまとめてしまうもの
⇒フレームモデル:まあ、オブジェクト指向のクラスのようなものです*)
*)説明が面倒で、どんどん投げやりになってきている
しかし、3つも説明するのは面倒ですし(正直(2)と(3)はよく知らない)ので、今回は、プロダクションシステムに特化して説明します。というか『エキスパートシステムって、"IF 〜 THEN 〜"の束のことだろー』といわれているくらいですから。
以下にざっくり概要をまとめています。
なお、江端が「モテる」だの「モテない」だのという話は例示です。そこに突っ込むのは禁止です。
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