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スマホとの通信機能を備えた充電コントローラー4つの機能を1パッケージに(1/2 ページ)

オン・セミコンダクターが、モバイルバッテリー向けの充電コントローラーを発表した。電圧変換やマイコンなどの機能を1パッケージ化したことで、設計が簡素化する。さらに、USBケーブルのデータラインを利用して、バッテリーの充電情報などをスマートフォンに送信できる機能も搭載している。

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4つの機能を1パッケージに搭載


「LC709501F」(赤枠内)を搭載した基板(クリックで拡大)

 米On Semiconductorの日本法人であるオン・セミコンダクターは2016年10月19日、リチウムイオン電池駆動のモバイル機器向けに、パワーバンク(モバイルバッテリー)に搭載する充電コントローラー「LC709501F」を発表した。5V、9V、12Vの電圧および複数の電流の出力範囲に対応していて、最大30W(12V×2.5A)の充電/放電能力を備えている。

 これまではディスクリートで実装されていた電圧変換、マイコン、電源、USB検出の4つの機能を1パッケージに搭載したことで、部品点数が減り設計を簡素化できる。パッケージは6×6mmのQFN-52。オン・セミコンダクターによると、基板上の実装面積およびトータルのBOMコストとも、従来比で約20%低減できるとしている。

FETを意図的に搭載せず


LC709501Fを搭載したパワーバンクを持つ、オン・セミコンダクターの近藤英雄氏

 特徴的なのは、パワー制御のFETを、LC709501Fには搭載せず、意図的に外に出している点だ。一般的にFETは、電圧変換の機能に搭載されているので、ごく普通に考えればLC709051Fにもそのまま搭載されることになる。オン・セミコンダクターのデジタルソリューションズ・ビジネスユニットでプロダクトマーケティングマネジャーを務める近藤英雄氏は、「セット(パワーバンク)の設計の自由度を高めるため」だと説明する。

 「パワーバンクでは出力ポートの数を何個か設けることができる。出力ポートが複数の場合、出力パワーを大きく設計する必要があるが、FETをLC709501F内に搭載すると、パッケージの熱の制約によってハイパワーを出力できるような設計ができなくなってしまう。FETのオン抵抗とパワー、熱は密接な関係があるので、(ポートの数を幾つにしたいのか、出力パワーをどれくらいにしたいのか、といった)セットの要求に最適になるようなオン抵抗を持つFETを選択したり、搭載するFETの数を変更したりできる」(近藤氏)

 オン・セミコンダクターは、LC709501F、外付けするFETの他、充電保護ICも全て提供できる。


既存のパワーバンクと、「LC709501F」を使った場合のパワーバンクの構成。LC709501Fには、FETが意図的に搭載されていない(クリックで拡大)

システムの構成と部品点数の例(クリックで拡大)

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