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Microchip、Atmel買収後の製品戦略を公表買収完了から半年でようやく(1/2 ページ)

2016年4月にAtmelの買収を完了したMicrochip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)が、今後の製品戦略をようやく公表した。

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一筋縄ではいかなかったAtmel買収

 Microchip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)は2016年4月、Atmelの買収を完了した。買収金額は35億6000万米ドル(約3693億円)。これにより、AtmelはMicrochipの完全子会社となった。もともとAtmelを買収することで合意していたのは、英Dialog Semiconductorだった。そこにMicrochipが対抗買収を仕掛け、最終的にはMicrochipがAtmelを買収することで合意に達したのである。これに伴い、Dialogには、契約解除金として1億3730万米ドルが支払われた。

 Atmelを買収したMicrochipは、2015年のデータを基にしたマイコンベンダーランキングにおいて、ルネサス エレクトロニクスとNXP Semiconductorsに次ぐ3位となる。


Atmel買収後の、マイコンベンダーランキング(年間売上高ベース) (クリックで拡大) 出典:Atmel

 だがMicrochipによるAtmel買収は、一筋縄ではいかなかったようだ。買収完了直後から、元Atmelの従業員と退職金や退職条件をめぐる問題が発生した。こうした問題が起きていたことから、買収後の体制や戦略についてMicrochipからの説明がなかったのだが、2016年10月になりようやく公式の発表があった。

 主要な方針として、Microchipは今後も「MIPS」ベースと「ARM」ベースの両方の製品を提供し続けるという。Microchipの32ビットマイコン「PIC32」ファミリーおよびAtmelのARMベースの32ビットマイコン「SAM」ファミリーへの投資も継続する。同様に、Microchipの8ビットPICマイコン、Atmelのマイコン「AVR」ファミリーへのサポートおよび投資も続けていくとする。また、IDE(統合開発環境)の「Atmel Studio 7」「MPLAB X」の両方を将来もサポートしていく。

Atmel買収に関する一問一答

 この他、Microchipは、Atmel買収に関連する一問一答をまとめている。内容は以下の通りだ。なお、Microchipは「全ての回答は、Microchip社長兼最高執行責任者のGanesh Moorthy氏によるもの」だとしている。

Q1 2つの32ビット製品ファミリーは、どのような補完関係にあるのか。

回答 強みと狙いが異なるので、32ビットマイコンの多くは、よい補完関係にある。例えば、SAMシリーズには低消費電力と5V動作を狙ったファミリーがあり、PIC32にはオーディオ/グラフィックアプリケーションに適したファミリーがある。

Q2 Atmelのオンラインツール「START」は、32ビットプロセッサだけでなく8ビットAVRもサポートするようになるのか。

回答 サポートするようになる。具体的な日程はまだ明らかにできないが、STARTや「MPLAB Code Configurator」のような最新のラピッドプロトタイピングツールを検討している。

Q3 両社は、技術支援、コンサルティングサービス、ハードウェア/ソフトウェア設計、製造サービスなどを提供するためにさまざまなパートナーと提携している。今後、それらのパートナーとの関係は、どのように維持されるのか。

回答 新たにパートナーとなったIAR SystemsとKeilを含む、全てのパートナーとの関係を大切にする。パートナーシップは、当社のワールドワイド・デザイン・パートナー・ネットワークおよびサードパーティーベンダー・ネットワークと併せて、またその一部として大切に継続していく。

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