Microchip、Atmel買収後の製品戦略を公表:買収完了から半年でようやく(2/2 ページ)
2016年4月にAtmelの買収を完了したMicrochip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)が、今後の製品戦略をようやく公表した。
8ビット製品群は縮小するのか
Q4 Microchipは、低消費電力/低コストの32ビットマイコンの製品ポートフォリオを完成させたが、8ビット製品への取り組みは縮小するのか。
回答 そのようなことはない。組み込み制御アプリケーションでは、使いやすさ、5V動作、堅ろう性、ノイズ耐性、リアルタイム性能、長寿命、超低静止電力といった、8ビットならではの特長が、まだまだ強く求められている。当社は、現在のマイコンのような複雑なデバイスをビット数だけでクラス分けすることを妥当とは考えていない。適切な周辺モジュールを内蔵することが、最も重要である。
Q5 両社からのセキュリティ製品のポートフォリオはどのように補い合うのか。
回答 AtmelとMicrochipのセキュリティ製品は補完関係にある。Atmel製品では暗号コンパニオンとセキュアプロセッサのポートフォリオが充実している。対してMicrochipの製品では、ハードウェア暗号化対応マイコンとセキュリティソフトウェアソリューションのポートフォリオが充実している。これらの製品群を合わせることで、顧客の要求を満たす包括的なセキュリティソリューション群を提供する。
Q6 AtmelとMicrochipのメモリ製品ポートフォリオは重複する部分が多いが、今後どのように扱っていくのか。
回答 確かに両社のシリアルEEPROM製品ラインは大きく重複している。だが、製造中の全製品は生産を終了せずに提供し続ける予定だ。Microchipのメモリ製品ラインには、Atmelが提供していなかったシリアルフラッシュ、パラレルフラッシュ、シリアルSRAMが含まれている。一方でAtmelのメモリ製品ラインには、Microchipが提供してこなかったパラレルEEPROMおよびEPROMが含まれる。これらの製品は補完関係にある
Q7 AtmelのWi-Fi製品はどうなるのか。
回答 AtmelのWi-Fi ポートフォリオは、低消費電力、小型、低コストのクラスで高い競争力をもたらす。AtmelとMicrochipからのWi-Fi製品は1つのポートフォリオに統合していくが、製造中の全製品は、生産を終了せずに提供を続ける予定だ。
Q8 AtmelとMicrochipからのアナログ製品は今後どうなるのか。生産中止になる製品はあるのか。
回答 両社からのスタンドアロン製品の生産を中止する予定は一切ない。両社のスタンドアロン製品は、ほとんど重複していない。温度センサー、CAN、LIN、電力変換製品は、両社製品の強みを見極めた上で統合していく。
Q9 今後の製品ロードマップは。
回答 ロードマップの詳細は公開していないが、顧客の要求に応えるべく今後もポートフォリオの拡充に取り組んでいく。
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