検索
特集

策定完了で本格発進、NB-IoTに期待するHuaweiMBBフォーラムを日本で初開催(1/2 ページ)

ファーウェイ(Huawei)は2016年11月、プライベートイベント「第7回グローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラム(MBBフォーラム)」を開催し、同社が注力する技術などを展示した。今回、大きなテーマの1つとして取り上げたのがNB(Narrow-Band)-IoTだ。同社でワイヤレス・マーケティング・オペレーション担当プレジデントを務める邱恒(キュウ・コウ)氏は、標準化されているNB-IoTによって、IoT(モノのインターネット)分野のエコシステムの拡大と強化を図ることができると語る。

Share
Tweet
LINE
Hatena

日本初開催のファーウェイMBBフォーラム

 ファーウェイ(Huawei)は2016年11月24〜25日、プライベートイベント「第7回グローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラム(以下、MBBフォーラム)」を幕張メッセで開催した。MBBフォーラムは、モバイルブロードバンド技術・業界の発展促進を目指すもので、これまで中国、ドイツ、英国など6都市で開催してきた。日本開催は今回が初めてとなる。


幕張メッセで開催された「第7回MBBフォーラム」

 ファーウェイでワイヤレス・ネットワーク・プロダクトライン ワイヤレス・マーケティング・オペレーション担当プレジデントを務める邱恒(キュウ・コウ)氏によると、今回の来場者は約1500人。そのうち700人が通信事業者(オペレーター)の関係者で、800人が自動車、ロボット、映像、IoT(モノのインターネット)といった分野のサードパーティーの関係者だという。


ファーウェイの邱恒(キュウ・コウ)氏

 スマートフォンの普及が進み、IoT(モノのインターネット)機器が増加する中、オペレーター各社のビジネスモデルは変わりつつあるとキュウ氏は説明する。「固定電話の収入が減り、代わって動画配信サービスなどによる収入が増えた。海外オペレーターはブロードバンドの他、スマートメーターやスマートパーキングといった新しいサービスの導入にも積極的になっている」(同氏)

 このように無線通信を使ったサービスやオペレーターの事業が多様化する中、キュウ氏は「当社は通信インフラ市場において大きなシェアを獲得しているが、シェアを増やすことよりも、市場そのものの規模を大きくすることが重要だ」と話す。

NB-IoTに注力

 市場全体のパイを大きくする方法の1つとしてファーウェイが注力しているのが、セルラーIoTネットワークの1つであるNB(Narrow-Band)-IoTだ。低消費電力で広範囲をカバーするIoT向けのネットワーク、いわゆるLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの1つで、3GPPによる策定が完了している。NB-IoT対応チップやモジュールも各社が発売し始めていて、まさに今、市場が発進したところである。

LTE Cat 1 LTE Cat M NB-IoT
周波数帯域幅 1.4M〜20MHz 1.4MHz 200kHz
通信速度 下り10Mbps/上り5Mbps 下り1Mbps/上り1Mbps 下り28kbps/上り63kbps
電池寿命 数年〜10年 数年〜10年 10年以上
アンテナ 単一 単一
リンクバジェット +15dB +20dB
「LTE-Cat 1」「LTE-Cat M」「NB-IoT」の主な特長。ソフトバンクの資料を基に作成

 キュウ氏は、いくつかあるLPWAの中でNB-IoTを選んだ理由について、「市場を大きくしていくためには、多くのメーカーが力を合わせる必要がある。その“力を合わせる方法”となるのが標準化だ。(NB-IoTについて言えば)3GPPが標準化することで、世界中の通信事業者、インフラベンダー、端末ベンダーが、共通の基準の元に開発を進められる。そうなるとボリューム(数)が出るのでシステムのコストも下がりやすくなり、多くのアプリケーションの登場が期待できるようになる。つまり、エコシステムの増加と強化が最も望めるネットワークがNB-IoTだった」と説明する。同氏は「さらに、NB-IoTであれば現在使っている基地局を、そのまま使うことができる。既存の基地局だけで世界の国と地域の70%を、人口の90%をカバーしている」と続けた。

 一方で、SIGFOXやLoRaについては、「3GPPのような標準化組織がないので、強いパートナーがまだいない状態だ」と述べ、今の段階では、NB-IoTほどの成長は見込めないのではないかとの見解を示している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る