さらに進化したIoT機器がCESで一堂に会する:CES 2017(1/4 ページ)
「CES 2017」(2017年1月5〜8日、米国ラスベガス)には多数のスマートデバイスが展示された。これらは明らかに今まで以上にスマート化を遂げている。
さらに進化したスマートデバイスの数々
米国ラスベガスで2017年1月5〜8日に開催された「CES 2017」。その直前に行われた「CES Unveiled」に登場したデバイスは、明らかに今まで以上にスマート化を遂げており、システム開発者たちが、消費者たちが言葉に表していない願望をガジェットに理解させようとしていることがよく分かった。
コネクテッドデバイスは今や、新たに学習機能を搭載したことにより、ユーザーの食事や睡眠習慣、姿勢、皮膚の状態、メーク、運動管理などに気を配り、優しくフレンドリーなサポートを提供するというスタイルを確立している。母親や配偶者の口うるさい忠告よりも、はるかに優しい口調でアドバイスをしてくれるのだ。
今回のCES Unveiledでは、おびただしい数のIoT(モノのインターネット)デバイスが展示されており、性能がかなり向上している。
新興企業がそれぞれ、コネクテッドデバイスやアプリケーション主導型の家電を独自に開発すると、他社製のデバイスやアプリとのやりとりができなくなってしまう。このため、家庭用IoTデバイスを手掛ける新興企業の多くは、企業間でパートナーシップを構築したいという考えのようだ。
こうしたデバイスの例としては、煙探知器や玄関ベル、セキュリティカメラ、電源ソケット、スイッチ、電動窓、ブラインドなどが挙げられる。フランスの新興企業であるNetatmo(ネタトモ)は、建築会社であるLegrand、パワーウィンドウやブラインドを手掛けるVeluxと提携することにより、窓やドア、電源ソケットなどに、センサーやアプリ、ZigBeeベースの無線接続機能を搭載しているという。
こうした取り組みは、どのような成果を上げているのだろうか。LegrandでIoT担当マーケティングマネジャーを務めるJérôme Boissou氏は、「Netatmoが開発したコネクテッドデバイスは2017年中に、Appleの『HomeKit』やSamsungの『ARTIK IoTエコシステム』との互換性を実現する予定だ」と述べている。
また、NXP Semiconductorsのエグゼクティブバイスプレジデントであり、セキュリティ/コネクティビティ担当ゼネラルマネジャーを兼任するRuediger Stroh氏は、CES会場においてEE Timesのインタビューに応じ、「IoTは今や、第2段階に突入し、エコシステムを構築する傾向が強くなっている」と指摘する。
「新興企業によるイノベーションや創意工夫の重要性を軽視しているわけではなく、多くのIoT企業が、とりわけセキュリティに関しては試行錯誤を繰り返す時間がないと認識している。(IoTデバイスに対して)世界各国の政府が求めるセキュリティ基準はかなり高くなっていて、これに準拠するにはエコシステムが欠かせなくなっているのだ」(Stroh氏)
次ページより、CES会場で注目を集めていた最新のコネクテッドデバイスを紹介していきたい。
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