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エリクソン、5GやIoT向けデモなど70点以上を展示MWC 2017(1/2 ページ)

エリクソンは「Mobile World Congress(MWC) 2017」で、5G(第5世代移動通信)やIoT(モノのインターネット)などを中心に、70点を超える展示を行った。その中の幾つかを紹介する。

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エリクソンの展示のハイライト

 2017年2月27日〜3月2日にかけて、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC) 2017」は、来場者が10万人を超える大規模なイベントとなった。

 最も大きなブースを構えていた出展企業の1社がエリクソンだ。同社は5G(第5世代移動通信)、IoT(モノのインターネット)、最新のデジタル技術を中心に73個の展示を行った。エリクソン・ジャパンが2017年3月14日、MWC 2017におけるエリクソンの展示のハイライトを報道機関向けに紹介したので、その中から幾つかを紹介する。

 2020年以降に向けたデータセンターアーキテクチャとして、IntelのRSA(Rack Scale Architecture)をベースに、CPU、ストレージ、メモリ、ネットワーキング(外部のネットワークとの接続機能)という4種類のモジュールを任意の個数で組み合わせ、柔軟に配備できるアーキテクチャを展示した。このデータセンターアーキテクチャは、機械学習を活用し、ロボットによって設定、運用することを目指しているという。人間が入ることを前提としていないので、空気のない場所にも設置できる。「空気のない場所に構築できれば、火事の発生や部品の劣化が起きにくい環境を実現できる」(エリクソン・ジャパン)


IntelのRSAをベースにしたフレキシブルなデータセンターアーキテクチャ。タイルのように見えるもの1つ1つが、CPU、ストレージ、メモリ、ネットワーキングのいずれかのモジュールである(クリックで拡大) 出典:エリクソン

5Gのユースケースを多数展示

 5Gについては、要素技術を使ったユースケースを展示した。エリクソン・ジャパンによると、5Gのデモの中でも人気だったのが、EV(電気自動車)を遠隔で運転するものだったという。バルセロナから70km離れたテストコースにあるEVを、5Gネットワークによって遠隔運転するもので、28GHz帯を使って、3つの動画と運転制御用の情報を送受信した。3つの動画とは、車に搭載されているフロントカメラ、左右のカメラという計3台のカメラで撮影しているフルHDの動画である。このデモでは、50ミリ秒以下の遅延(無線の遅延が約4ミリ秒、画像の遅延がデコードとエンコードで約40ミリ秒)を実現できたという。動画の遅延が少ないので、「まるで本当にその場で車を運転しているような感覚を得ることができ、来場者にも好評だった」(エリクソン・ジャパン)


5Gネットワークを使い、バルセロナから70km離れた場所にある電気自動車を遠隔で運転する。赤い矢印で指しているところが、車が走行しているところ(クリックで拡大) 出典:エリクソン

 エリクソンは2016年9月、5G対応の無線装置を発表した。4×4 MIMOに対応した無線装置やTDDビームフォーミングに対応する無線装置、5GHz帯付近の免許不要周波数に対応したマイクロ基地局用無線装置などがある。これらに加え、2017年2月には、6GHz帯以下および6GHz帯以上に対応した無線装置を発表した。新しく発表した無線装置では、5Gのフロントホール向けの新しい光インタフェース(eCPRI)をサポートする点が特長の1つだという。


5G対応の無線装置でも新しい製品を発表した(クリックで拡大) 出典:エリクソン

 マンホール型という、ちょっと変わった無線ユニットも展示した。これは特に5G向けというわけではなく、LTEでも応用できる。ユーザーの多い都市部などで、町の景観を壊すことなく無線ユニットを増やす方法として提案するもの。マンホールを開けた場所に無線ユニットを取り付け、その付近の地中にマンホール型のアンテナを埋め込む。無線ユニットとマンホール型アンテナは、同軸ケーブルで接続する。このシステムにより半径100mほどのカバレッジがあるモバイルネットワークを構築できる。スイス・テレコムが既に導入しているという。


マンホールの中に設置する無線ユニットと、マンホール型アンテナ。無線ユニットは水やほこりに耐性がある(クリックで拡大) 出典:エリクソン

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