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目指すはロボット技術立国 ―― 移動体IoTと産業用ドローンへの取り組みJASA発IoT通信(2)(2/4 ページ)

移動体のIoT(モノのインターネット)では無線通信を前提とするため、通信遮断対策や帯域確保などさまざまな課題が生じてきた。ここにエッジコンピューティングを導入し、組込みソフトと無線通信の協調による移動体IoTを実現させる。当初はコネクテッドカーからスタートした移動体IoTであるが、昨今は同様の技術がドローンに展開され始めた。ホビー用途のドローンでも、組込みソフトが機体の姿勢制御などを操る。産業利用のドローンには、さらなる安全性と信頼性が求められる。組込みソフトと無線通信の協調が果たす役割は大きい。

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セントラルゲートウェイ方式

 自動運転などを想定すると、自動車に対する不正アクセスが懸念事項である。悪意をもった通信が、自動車の重要な機能に侵入することは避けねばならない。

 自動車にはECU(電子制御ユニット)と呼ばれるコンピュータが数多く搭載され、ここに高度な組込みソフトが実装されている。多くのECUがそれぞれの機能を分担し、CAN(制御エリアネットワーク)などを介して高速通信を行う。

 外部との接続が必要な場合、個々のECUに通信機能を持たせるべきではない。どれか1つのECUにセキュリティホールがあると、全てのECUに脅威をもたらすからである。

 セントラルゲートウェイ方式とは、自動車に唯一の通信機能(出入口)を持たせるという考え方である。ここには通信機能とセキュリティを併せ持つ。国内外の自動車産業界では、セントラルゲートウェイ方式を推奨している。


図2:セントラルゲートウェイ

セントラルゲートウェイによるエッジコンピューティング

 Cisco Systemsが提唱してきたFOGコンピューティングという概念がある。


図3:IoTの7レイヤー 出典:出典 : IoT World Forum - Architecture Committee

 同社のFOGルータには、エッジ処理を行うソフトを実装できる。ベストエフォートのインターネットを介したのでは、遅延時間が避けられない。エッジ側に制御ソフトを実装することで、低遅延の処理が可能となる。

 セントラルゲートウェイにも、同様のアプローチがなされている。通信機能、セキュリティ機能に加え、さまざまなソフトを実装するメリットは大きい。データ量や緊急度に応じた通信経路の選択から、異常時や障害発生時に行うべきルールを実行に移せる。

 以下のリンクは東芝の商品事例である。
・参考URL:http://www.toshiba.co.jp/cl/news/news20161025.htm

 セントラルゲートウェイによるエッジコンピューティングは、一般の乗用車、建設機械、農業機械から始まった。

 通信遮断や遅延を前提としたアーキテクチャ、通信が途絶えた場合には組込みソフトが自律的に制御を行う機構などが実現されてきていて、これらはドローンにも不可欠な技術になっている。

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