機器間で安全/安心なUSB給電や充電を実現:使用前に正規品かどうかを識別
ルネサス エレクトロニクスは、機器間で行うUSB給電の安全性をさらに高めるコントローラIC「R9J02G012」を開発した。USB PD3.0(USB Power Delivery Rev3.0)とC-auth(USB Type-C Authentication Rev1.0)の規格にワンチップで対応できる。
USB PD3.0とC-authの規格にワンチップで対応
ルネサス エレクトロニクスは2017年5月、機器間で行うUSB給電の安全性をさらに高めるコントローラIC「R9J02G012」を開発したと発表した。USB PD3.0(USB Power Delivery Rev3.0)とC-auth(USB Type-C Authentication Rev1.0)の規格にワンチップで対応できる。2017年6月よりサンプル出荷を始める。
スマートフォンやPCなどの電子機器間において、USBケーブルを用いて給電や充電を行うケースが増加している。ところが、市販されている非正規のケーブルやACアダプターの中には、利用状況によって安全性が十分に保障されない場合もあるという。新製品はこうした課題を解決することができる。
R9J02G012は、最新のUSB PD3.0規格と、機器間認証により正規品の識別が可能なC-auth規格などに対応する機能をワンチップに集積したICである。このICを活用すれば、非正規のケーブルやACアダプターによるトラブルを回避することができる。ICパッケージは、外形寸法が6×6mmの40端子QFNあるいは、3.6×3.1mmの42端子BGAを用意した。同社従来製品を用いた場合に比べて、実装基板の占有面積を半分以下に節減することが可能になるという。
新製品は、PDFU(Power Delivery Firmware Update Specification Revision 1.0)にも対応している。USB Type-Cケーブルを用いて、機器のファームウェアを安全に更新することが可能となる。
サンプル価格(税別)は1000円。2018年1月より量産を始め、2019年1月には月産100万個体制とする計画である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2016年マイコンシェア、NXPがルネサスを抜き首位に
IC Insightsが発表した2016年のマイコン(MCU)市場売上高ランキングによると、NXP Semiconductorsがルネサス エレクトロニクスを抜いて首位に立った。 - ルネサスの「レベル4対応自動運転車」に試乗
ルネサス エレクトロニクスは、自動運転レベル4に対応する自動運転車の試乗会を東京都内で行った。安全な自動走行に加えて、「半導体の故障」や「サイバー攻撃」にも対応する機能を搭載している。 - ルネサス、インターシル買収に伴い組織再編
インターシルを買収したルネサス エレクトロニクスは2017年3月3日、事業組織を2017年7月までに段階的に改変すると発表した。インターシル買収で事業規模拡大を見込む汎用半導体を専門に扱う事業本部などを設ける。 - ルネサス、組み込み向け仮想化技術をR-Carで実現
ルネサス エレクトロニクスは、車載コンピューティングプラットフォーム「R-Car」用に、仮想化OS向けソフトウェアパッケージの提供を始めた。車両のセキュリティと機能安全を単一システム上で実現できるとする。 - 産業革新機構などルネサス株を売り出しへ
ルネサス エレクトロニクスは2017年5月18日、産業革新機構などが所有する株式を2017年6月に売り出すと発表した。 - 応用例で見る、ルネサスの組み込みAI
AI(人工知能)機能を持つ組み込み機器の登場が、スマートな社会を身近なものとする。ルネサス エレクトロニクスはセキュアで自律的に動作する組み込み機器を開発するための「e-AIソリューション」を提案する。