オシロとロガーのいいとこ取り計測器が手軽に進化:電池駆動対応のスコープコーダ(1/2 ページ)
横河メータ&インスツルメンツは2017年6月13日、オシロスコープとデータレコーダー(データロガー)の長所を併せ持つ計測器、スコープコーダ「DL350」を発売した。従来のスコープコーダから機能を絞り、可搬性を高め、フィールドでの試験、測定用途に対応できる計測器となっている。
タッチパネルで直感的操作可能に
横河メータ&インスツルメンツ(以下、横河M&I)は2017年6月13日、オシロスコープとデータレコーダー(データロガー)の長所を併せ持つ計測器群“スコープコーダ”の新製品として、小型、軽量でバッテリーでの駆動が可能な「DL350」の販売を開始した。従来品に比べ、機能を絞ることにより、可搬性、利便性を向上させた他、価格を抑えた。
スコープコーダは、オシロスコープの波形表示などの機能や高い計測性能を備えながら、データレコーダー並みに長時間にわたる測定データを記録、保存できる計測器で、横河M&I独自の呼称だ。
横河M&Iでは20年ほど前からスコープコーダを製品化。2010〜2013年発売の「DL850シリーズ」など、これまでは研究開発用途を中心とした据え置き型スコープコーダをラインアップしてきた。
今回、発売したDL350は、DL850シリーズの下位機種として位置付け、フィールド環境などでも使える携帯性、可搬性を重視し開発した。バッテリーでの動作に対応し、サイズは305×217×92mmで、重量は約3.9kg(オプションのバッテリー装着時)だ。
100Mサンプル/秒の高速モジュールや各種車載バス対応モジュールも
横河M&Iのスコープコーダは、データレコーダー同様、プラグインモジュールと呼ぶ測定ユニットを差し替えることで、測定機能、性能を変更可能。DL350では、2つのプラグインモジュールスロットを備える。プラグインモジュールは、DL850シリーズと共通(一部、DL850シリーズ専用モジュールあり)で18種の中から選択できる。利用頻度の高い電圧測定用のプラグインモジュールでは、12ビット分解能、帯域20MHzで最高100Mサンプル/秒のサンプル速度を持つ絶縁2チャンネル入力のモジュールや、16ビット分解能、帯域300kHz、サンプルレート1Mサンプル/秒の絶縁4チャンネル品などがある。この他、電圧+加速度、周波数、ひずみなどの測定用モジュールや、CAN、LIN、SENTと車載バス用モジュールもそろう。
記録容量は内蔵メモリで1スロット当たり100Mポイント(計200Mポイント)。標準のSDカードスロットにSDメモリーカードを挿入すれば1スロット当たり最大5Gポイント(計10Gポイント)に拡張でき、最長50日間のリアルタイム記録が行える。
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