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デンソーの新子会社とプロセッサを開発するThinCIとはCEOに聞く(2/2 ページ)

デンソーが新設する子会社「エヌエスアイテクス(NSITEXE)」とプロセッサを共同開発するのが、米新興企業のThinCIだ。同社のCEO(最高経営責任者)を務めるDinakar Munagala氏に、同社の製品の強みなどを聞いた。

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ThinCIの超並列アーキテクチャ

EE Times 以前のインタビューで、「ThinCIのプロセッサは、タスクグラフの複数の計算ノードを同時に処理するように設計された超並列アーキテクチャをベースにしている」と聞いた。

Mungala その通りだ。当社のプロセッサは、推論を行うために膨大な数の画像を必要としないため、エッジコンピューティングに適している。

EE Times それはどういう意味か?

Mungala バッチサイズは、マシンが少量のデータをいかに効率的に処理できるかに関係している。どの推論エンジンも、画像やサウンドサンプルなどの単一フレームを実行できる。当社のプロセッサの効率性は、さまざまな種類のデータセットを処理する際に発揮される。例えば、多くの処理を同時に行うことが得意なマシンを使用する場合、1つの画像だけを処理したのでは相対的な消費電力は増加してしまう。これは、8車線の高速道路をたった1台の自動車が走行するようなものだ。交通渋滞がないので、その車は自由に走行できるが、7車線が無駄になる。

 これは、推論エンジンでは、マシン内のデータフローや、データ管理にかかるオーバーヘッドに関係する。ThinCIのプロセッサは、バッチサイズが1画像であっても大量であっても、同等の効率(ワット当たりの画像数/秒で測定)を得られる。これは、自動車の安全システムのようにレイテンシ(遅延)が大きな問題となるエッジ推論には重要だ。処理速度が30フレーム/秒(fps)の高解像度ビデオは、128の画像を収集するのに4秒以上かかる。時速約100kmで走行している自動車の場合、約100m進むことになる。衝突防止システムでは、こうしたサンプリング間隔は許容できないだろう。

EE Times ThinCIのプロセッサはISPのすぐ側に設置することで、センサーフュージョンに引き渡すデータを削減できるということだが、実際は、センサーフュージョンを車内のどこで行うべきかについては自動車メーカーの意見は一致していない。

Mungala それについては、当社も承知している。ThinCIのプロセッサは、豊富なI/Oインタフェース(4つのMIPIインタフェースなど)を搭載し、ハイブリッド回路としても機能する。ISPの近くで、中枢系または包括的なフュージョンチップとして使用できる他、経路計画などのアプリケーションに使用することも可能だ。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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