連載
究極の高密度不揮発性メモリを狙う強誘電体トランジスタ:福田昭のストレージ通信(73) 強誘電体メモリの再発見(17)(1/2 ページ)
今回は、1個のトランジスタだけでメモリセルを構成できる「FeFET(Ferroelectric FET)」または「強誘電体トランジスタ」について解説する。FeFETは、構造はシンプルだが、トランジスタの設計はかなり複雑になる。
強誘電体を電界効果トランジスタのゲート絶縁膜に導入する
本シリーズの第17回(前々回)では、強誘電体を使ったメモリセルの構造について簡単に説明した。1つはDRAMと似た構造のセルで、1個のトランジスタと1個の強誘電体キャパシターで構成する。トランジスタがセル選択素子、強誘電体キャパシターが記憶素子、という役割り分担になる。
もう1つは電荷捕獲(チャージトラップ)方式フラッシュメモリと似た構造のセルで、MOSトランジスタ(MOSFET)のゲート絶縁膜を強誘電体にすることで、1個のトランジスタだけでメモリセルを構成する。強誘電体ゲート絶縁膜のトランジスタ(FET)が、セル選択素子と記憶素子の両方を兼ねる。このようなトランジスタを「FeFET(Ferroelectric FET)」「強誘電体トランジスタ」などと呼んでいる。1個のトランジスタだけでメモリセルを構成できるので、究極ともいえる、高密度なメモリを原理的には実現可能だ。
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