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三菱電機が新型SiC-MOSFET、信頼性と省エネ両立:独自のソース領域構造で
三菱電機は、電力損失を最小レベルに抑えたSiC(炭化ケイ素)パワー半導体素子を開発した。2020年度以降の実用化を目指す。
通常は低オン抵抗、短絡発生時には電流抑制
三菱電機は2017年9月、電力損失を最小レベルに抑えたSiC(炭化ケイ素)パワー半導体素子を開発したと発表した。2020年度以降の実用化を目指す。
新開発のSiC-MOSFETは、ソース領域を複数に分け、ソース抵抗制御領域を形成するなど、独自の構造を採用した。これにより、使用域の温度でオン抵抗は低いが、短絡が発生すると過剰電流により温度が上昇し、抵抗が大きくなることで過剰な短絡電流が抑制され、短絡許容時間が長くなる。この結果、素子の破壊を抑制することができるという。
また、同一短絡許容時間で比較すると新開発のSiC-MOSFETは、ソース領域が単一構造の従来型SiC-MOSFETに比べて、室温におけるオン抵抗が約40%小さい。これにより、電力損失は20%以上も削減できるという。シリコンを用いたパワー半導体素子に比べると、オン抵抗は約60%も小さい。
パワーエレクトロニクス機器は、短絡許容時間が長いほど短絡保護回路の設計が容易となり、信頼性も向上するという。開発した素子構造はさまざまな耐圧のSiC-MOSFETに適用することが可能である。さらに、シリコンパワー半導体素子で既に用いられている短絡保護回路技術を併用すれば、より安全な保護動作を実現することができるという。
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