強力なセキュリティをハードウェアで実現:IoT社会を悪夢としないために(1/2 ページ)
IoT(モノのインターネット)システムにおいて、セキュリティ技術が重要性を増している。インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、産業向けIoTでハードウェアによる高度なセキュリティソリューションを提案する。
IoTのレイヤーに応じたセキュリティ用ICを用意
IoT(モノのインターネット)システムで重要性を増すセキュリティ技術。インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは2017年9月26日、東京都内でIoT時代のセキュリティについてラウンドテーブルを開催、産業向けを中心にIoT市場のトレンドやインフィニオンの取り組みなどを紹介した。
さまざまな機器がインターネットに接続されるIoT時代。そこには個人データだけでなく、膨大なモノのデータが存在する。これらのデータを保護し安全に管理するためには、さまざまな組込み機器に最適なセキュリティ技術を実装していくことが重要となる。
Infineon Technologies Americasのチップカード&セキュリティ(CCS)事業本部でテクニカルマーケティングを担当するシニアプリンシパルのSteve Hanna氏はまず、IoTの市場性について述べた。「IoT市場の成長スピードは速い。2020年には40億人がインターネットでつながる。モノは250億台が接続され、その数は指数関数的に増える」と話す。さらに、「IoTによってビジネスも人の生活スタイルも変わる。今後10年間で、100年前に電気が普及した時と同じような変化が起きる。IoTに乗り遅れることは、どの企業にもありえない」と続けた。
強力なセキュリティ技術が不可欠
IoT市場に対してインフィニオンは、触覚の役割を果たす各種センサー製品や、脳の働きをするマイクロコントローラ(MCU)、筋肉に相当するパワー半導体などに加え、セキュリティ用ICチップ、ソリューションを提供している。「IoTは有望な市場である。しかし、強力なセキュリティ技術がないと、夢のようなIoT社会が悪夢になる」と、Hanna氏はいう。
Hanna氏は、IoTを導入する利点などについて、産業向けIoTシステムを例に挙げて紹介する。「企業の85%が2020年までに、自社工場へインダストリー4.0を導入する計画を持っている」と話す。産業向けIoTシステムを導入することで、「量産ラインでもカスタムメイドの製品を製造できる。現場で収集したデータを分析し、効率改善につなげることができる。そして新たなビジネスモデルを提案できる」という。新たなビジネスモデルの例として、鉄道会社による車両の予知保全など、2つの事例を紹介した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.