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10nmプロセスチップの需要、iPhone Xなどで増大TSMCの売上高でも10%を占める(1/2 ページ)

TSMCによれば、10nmプロセスチップのニーズが増大しているという。TSMCにおいて10nmプロセスの売上高は確実に増加していて、2017年7月時点で同プロセスの売上高は全体の10%を占めるまでになっている。

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需要が高まる10nmプロセスチップ

 TSMCは、同社の最大顧客であるAppleが「iPhone X」を発売する予定であることから、2017年中に10nmプロセスチップの需要が急増するとみている。

 TSMCの共同CEO(最高経営責任者)であるCC Wei氏は、台北において同社の2017年第3四半期の業績発表を行い、「N10(TSMCの10nmプロセスチップ)の売上高は、TSMCの2017年のウエハー売上高全体の約10%を占める見込みだ」と述べている。同社は、3カ月前の2017年7月の時点で、「10nmプロセスチップの売上高は、2017年下半期の売上高全体の10%を占める」と予測していたことから、今回はそれを上方修正する形となった。


2017年第3四半期における、プロセス別の売上高 出典:TSMC(クリックで拡大)

 最新の予測によると、TSMCの2017年の10nmプロセスチップの売上高は、32億米ドルに達する見込みだという。同社は2017年第2四半期に、10nmプロセスの製造を開始したが、その時点で、ファウンドリー市場最大のライバルであるSamsung Electronicsに約4カ月の後れを取っていた。TSMCは、Appleのアプリケーションプロセッサの製造事業をSamsungから奪い取ったことにより、Appleの唯一のサプライヤーとしての座を確保している。

 しかし、アナリストの中には、2018年初めに10nmプロセスの需要が急激に減少するのではないかとする懸念があるようだ。

 米国の大手金融業CitigroupのアナリストであるRoland Shu氏は、TSMCの業績発表の会場において、TSMCの経営幹部たちに対し、「2017年第4四半期におけるTSMCの10nmプロセスチップの売上高は、全体の約25%に達するとみられている。このような高い比率が見込まれる中、2018年第1四半期に(10nmプロセスへの)需要が減少するとの懸念もあるが、どうか」と尋ねた。

 Wei氏は、「スマートフォン分野には、季節的な変動がある。その影響がどれくらい及ぶのかは分からないが、当社の顧客企業は現在、次世代プロセスへの移行を進めているところだ。2018年後半には、こうした動きがさらに加速するだろう」と答えている。

予測を上回る業績の実現へ

 TSMCは、「当社の2017年の年平均売上高成長率は、前回の予測を上回る8.8%に達する見込みだ」と主張する。

 同社は以前に、2017年の設備投資予算を100億米ドルと見込んでいたが、今回は、7nmプロセスの生産能力を拡大するためとして、108億米ドルに増加したと発表している。2018年には、7nmプロセスチップの生産量を大きく増やしていく予定だという。また今後数年間は、年間設備投資額として約100億米ドルを見込んでいるという。

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