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10nmプロセスチップの需要、iPhone Xなどで増大TSMCの売上高でも10%を占める(2/2 ページ)

TSMCによれば、10nmプロセスチップのニーズが増大しているという。TSMCにおいて10nmプロセスの売上高は確実に増加していて、2017年7月時点で同プロセスの売上高は全体の10%を占めるまでになっている。

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7nmプロセスも製造段階へ移行

 TSMCは既に、7nmプロセスチップを研究開発段階から製造段階へと移行させている。Wei氏は、「2018年前半には、当社にとって初となる7nmプロセスチップとして、ハイエンドアプリケーションプロセッサと、高性能コンピューティング向けSoC(System on Chip)を製造する予定だ。2018年末までには、50種類以上の7nmプロセスチップをテープアウトする予定である」と述べている。

 同社は2018年中に、派生品となる「N7+」プロセスのリスク生産を開始する予定だとしている。既存の「N7」プロセスに対し、20の小型化と10%の性能向上を実現できる見込みだ。Wei氏によると、N7+プロセスチップの製造には、EUV(極端紫外線)リソグラフィを適用する予定だという。

 EUVリソグラフィへの移行に伴い、N7からN7+への移行を進めている顧客企業にとっては、幾つかの問題が生じる可能性がある。


TSMCの共同CEOであるCC Wei氏

 Wei氏は、「N7+では、EUVレイヤーを数種類使用するつもりだ。N7を使用している顧客企業がメリットを享受するためには、N7+向けに再度テープアウトする必要がある」と述べる。

 また同氏は、「N7とN7+は、同じ設計ルールを数多く採用する予定であるため、顧客企業は、すべてのリソースを費やして新しいプロセスを開発する必要がない」と述べている。

 TSMCによると、2020年には5nmプロセスチップの量産を開始できる見込みだという。共同CEOであるMark Liu氏は、「当社の5nmプロセスチップは、業界最高クラスの電力効率を実現することができる」と主張する。

 その一方で、同社は引き続き、旧世代の28nmプロセス分野における約90%のシェアを維持していきたい考えだという。Wei氏は、「TSMCの2017年第3四半期の業績を見ると、売上高全体の約23%を28nmプロセスが占めている他、テープアウトの数も28nmプロセスが最も多い」と述べている。

 Wei氏は、「2018年も引き続き、28nmプロセス市場における高いシェアを維持していく考えだ」と述べる。

 TSMCは、新しい事業分野として自動車市場を挙げ、2017年に見込まれる同市場の売上高約15億米ドルを、今後5年間で2倍に増加させる予定だとしている。また、仮想通貨マイニング向けのブロックチェーンアプリケーションの売上高が、約4億米ドルだったことについても触れ、「顧客企業がそれぞれ、優れたチップを独自開発していることから、市場規模としては比較的小さいものの、成長速度が非常に速い」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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