「半導体の可能性を強く信じる」 AppleのCOO:TSMCの創立30周年記念式典で(1/2 ページ)
TSMCの創立30周年記念式典で、Apple COO(最高執行責任者)であるJeff Williams氏が、TSMCとのパートナーシップや、半導体業界の今後の10年などについて語った。同氏は、半導体の可能性を強く信じていると強調した。
TSMCが創立30周年
TSMCは2017年10月23日(台湾時間)、創立30周年を祝う記念式典を開催した。式典では、半導体企業のCEO(最高経営責任者)たちやAppleのCOO(最高執行責任者)を務めるJeff Williams氏など、TSMCの主要顧客が集うフォーラムも開催された。
Williams氏は、Appleのアプリケーションプロセッサ「A11」の唯一のサプライヤーとしてTSMCを選んだ経緯と、今後10年間でエレクトロニクス業界がどこへ向かおうとしているかについて語った。
シンガポールの市場調査会社Smartkarmaのレポート作成を手掛けるアナリストのAndrew Lu氏は、「TSMCは2018年にも7nmプロセスでの製造を開始する。それまでは、TSMCは、Appleのアプリケーションプロセッサ向けチップの提供を独占すると予想される」と述べている。
Lu氏は、「Samsung Electronicsは、2018年後半に7nm+ノードの量産を開始する予定だ。技術面と価格面でTSMCとの激しい競争が予想されることから、TSMCはこの時点でApple向け製品の製造を独占することはできなくなる可能性がある」と続けた。
投資銀行のあるアナリストは、身元を明かさないことを条件に、「Samsungは、Appleのアプリケーションプロセッサ製造におけるTSMCのライバルだ。だが、AppleのA11の受注契約を結ぶために必要とされた数十億米ドルの設備投資を行うことに同意しなかったため、A11受注のチャンスを逃したようだ」と述べた。
Lu氏は、「TSMCが技術開発でSamsungの先を行く限り、AppleはTSMCへの発注を続けるとみられる。ただし、AppleはTSMCに対していかなるミスも許さない姿勢だ」と述べる。
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