Qualcomm、サーバ用ARM SoCを発表:Intel Xeonの競合品と位置付け(1/2 ページ)
Qualcommが、サーバ向けARM SoC(System on Chip)「Centriq」シリーズを発表した。「Centriq 2460」については、Intel「Xeon Platinum 8180」の競合品と位置付けている。
サーバ向けARM SoCを発表
何年もの開発期間を経て、Qualcommがついにサーバ向けARM SoC(System on Chip)を発表した。同社がIntelのクラウドサーバビジネスの後を追いかけていることが明白になってきている。
10nmプロセスを適用したARM SoC「Centriq 2400」は、Qualcommが長年にわたり多大な資金を投じて積極的に取り組んできた開発の成果である。同プロセッサの開発は、半導体産業が活力を維持するためには不可欠な、野心的かつ革新的な賭けであったといえよう。
Qualcommは、米国カリフォルニア州サンノゼで開催したイベントで、同SoCのパイロット生産に着手し、既に出荷も始めていること、この四半期には売上高を見込めることを明らかにした。このイベントには、QualcommのエコシステムのパートナーであるMicrosoftとRed Hatが参加している。
エグゼクティブチェアマンのPaul Jacobs氏は壇上で、Qualcommがクラウドサーバ用プロセッサの開発に投資した理由について述べた。それによると、より高性能なモバイルプロセッサが出現し、5G(第5世代移動通信)規格の策定完了(Phase 1)が間近に迫っていることから、Qualcommは、世界中のネットワーク需要を満たせる規模のデータセンターを実現することが極めて重要であると考えているという。また、そのようなデータセンターのニーズを満たすことを、Intelだけに託すつもりはなく、Qualcommもデータセンター市場に十分な価値をもたらすことができると確信しているようだ。
モバイル向け「Snapdragon」で培った経験を生かす
Qualcommは、モバイルプロセッサ向けの低消費電力ARMチップの開発で積み重ねた知識を、サーバ向けプロセッサにも適用することで、同プロセッサの消費電力とコストを軽減しつつ、性能を維持できると確信している。同社は、「10nmプロセスを適用したサーバ向けプロセッサとしては初となるCentriqに誇りを持っている」と語った。
Centriq 2400は、40〜48コアのSoCシリーズとして展開される。QualcommはCentriqの3品種の価格帯について、888〜1995米ドルになると発表した。
Microsoftで「Azure」を手掛けるチームは、Centriqを使う初期の顧客の1社になるようだ。Microsoftは既に社内向けのサーバにCentriqを搭載していて、同プロセッサ向けの幅広いツールチェーンをインストール済みだという。Microsoft以外には、Centriqを採用した顧客はいないようだ。
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