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EnOcean無線通信、ビルや住居で採用広がるEnOceanアライアンス(1/2 ページ)

EnOcean(エンオーシャン)アライアンスは2017年11月2日、EnOceanに関する最新の動向と技術を紹介するイベントを新横浜で開催した。海外市場における最新の導入事例や製品の技術動向とともに、新たなロゴマークも紹介した。

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費用対効果も高い


EnOceanアライアンスの新ロゴ 出典:EnOceanアライアンス

 EnOcean(エンオーシャン)アライアンスは2017年11月2日、EnOceanに関する最新の動向と技術を紹介するイベントを新横浜で開催した。新たに採用したロゴマークも紹介された。

 EnOceanは、エネルギーハーベスティングによる発電技術と極めて消費電力が低い無線通信技術をベースに、電源不要の無線センサーソリューションを提供している。EnOceanアライアンスは、EnOcean無線通信技術の国際標準化を推進しつつ、OEMメーカー間の製品互換性確保などを狙いとして2008年に設立された。アライアンス活動の効果もあり、EnOcean無線通信技術はビル設備や産業設備、さらにはスマートホーム、IoT(モノのインターネット)などへの応用が拡大しているという。


Graham Martin氏

 今回の日本イベントでは、EnOceanアライアンス会長兼CEOを務めるGraham Martin氏が、海外市場におけるEnOcean無線通信技術の導入事例やその効果などを紹介した。事例として挙げたのがカーシェアリング、オンラインショッピング、職場の快適性、自転車シェアリングなどである。


海外市場におけるEnOcean無線通信技術の導入事例 出典:EnOceanアライアンス

 職場の快適性では、空調や照明などを最適に制御することで生産性が向上。しかも、わずかな追加コストで収益性も改善したという事例を紹介。さらに、事務所の賃貸料低減や省エネにも貢献することが分かった。これ以外にも、具体的な導入事例としてドイツMicrosoftのヘッドクォーター、英国の小売店、フランス・パリの学校などで導入されたシステムとその効果を紹介した。

 また、EnOceanアライアンスの活動として、全世界で400の会員団体が参画し、2000種の製品群を用意、50万の建築物に実装されていることや、新たなロゴの採用、日本語を含む6カ国語に対応したウェブサイトの立ち上げ、などを紹介した。

EnOceanアライアンスのメンバー一覧、右はそのうちの日本企業 (クリックで拡大) 出典:EnOceanアライアンス

 さらに、EnOceanとIBM Watsonはパートナーシップを結び、コグニティブビルディングの実現を目指している。具体的には、センサーなどのEnOceanデバイスを、スマートEnOceanゲートウェイを介してIBMのクラウドに接続する。これによって、事務所やホテルなどにおける快適な空調/照明、あるいは見守り介護などについて学習し、予測制御を行うことができるという。

 IBM Watson IoTプロジェクトは、EnOceanのIoTデバイスとIBMのクラウドシステムを組み合わせたソリューションを提供する。今回のイベントでは日本IBMの村澤賢一氏が、IoT領域における同プロジェクトの取り組みと成果について、生産ラインでの検査工程やエレベーターなどビル設備の管理といった、具体的な導入事例を交えて紹介した。


IBM Watson IoTのエコシステム (クリックで拡大) 出典:IBM

 村澤氏は、「これまで『平均値』を前提とする製品/サービスを提供してきた。これからは『個』の把握を前提とする製品/サービスが必要だ。このためにはセンシングが基点となる」と述べた。また、日本市場における注力分野として、事務所やホテル、農業などへの応用を挙げた。

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