消費電流180nAで電池長持ち、ロームの電源IC:Nano Energy技術を採用
ロームは、消費電流が180nAと極めて小さいDC-DCコンバーターIC「BD70522GUL」を開発した。
軽負荷から最大負荷まで、電力変換効率は90%上回る
ロームは2018年1月、消費電流が180nAと極めて小さいDC-DCコンバーターIC「BD70522GUL」を開発したと発表した。コイン電池で動作する機器の長期間使用が可能となる。
BD70522GULは、独自の制御回路技術やアナログ素子のレイアウト技術、0.35μmのBiCDMOSプロセス技術などを結集することで実現した「Nano Energy」技術を用いたMOSFET内蔵の降圧DC-DCコンバーターICである。消費電流が極めて小さいため、無負荷時には電池の使用時間を、従来製に比べて1.4倍も長持ちさせることができるという。
また、負荷電流によって負荷モードを自動的に切り替えることができる「SSMC(Seamless Switching Mode Control)」機能を搭載した。この機能により負荷電流が10μAから500mAの広い範囲で、電力変換効率が90%を上回るという。
BD70522GULは、入力電圧範囲が2.5〜5.5V、消費電流は180nA(代表値)、出力電圧は1.2Vから3.3Vまで9出力に対応。出力電圧誤差は±2.0%である。最大出力電流は500mA。動作周波数は0.2Hz〜1MHz、動作温度範囲は−40〜85℃となっている。
既にサンプル出荷を開始、サンプル価格(税別)は300円である。2018年3月より量産を始める予定だ。BD70522GULを実装した評価ボード「BD70522GUL-EVK-101」も用意した。これらの製品は、ネット販売を行うチップワンストップやザイコストア(コアスタッフ)、アールエスコンポーネンツのWebサイトから購入することができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 車載向けオペアンプ、ノイズ設計フリーを実現
ロームは、「オートモーティブ ワールド 2018」で、未来のクルマの「安全」「快適」「環境」を実現するためのSiCパワーデバイスやオペアンプIC、オーディオシステム向けソリューションなどを紹介した。 - SiCだけではない、パワー製品群の展示に注力 ローム
ロームは、パワー半導体の展示会「PCIM Europe 2017」(2017年5月16〜18日、ドイツ・ニュルンベルク)にて、Si-IGBTやSiC-MOSFET向けゲートドライバーICなどを展示した。 - 日立金属、ロームからSiC製造の一部を受託へ
日立金属は2017年11月9日、ロームからSiC(炭化ケイ素)パワー半導体ウエハーの製造プロセスの一部(研磨工程)を受託する方針を明らかにした。 - “ノイズ設計フリー”の車載用オペアンプ ローム
ロームは2017年9月12日、ノイズ対策部品を外付けする必要がないノイズ耐性が優れた車載用オペアンプを開発し、サンプル出荷を開始した。 - ローム、USB PD対応の評価ボードを販売
ロームは、USB Type-CコネクターでUSB PD(USB Power Delivery)を実現する電力受給電用評価ボード「BM92AxxMWV-EVK-001」シリーズ6製品の販売を始めた。 - ローム、最先端電源「Nanoシリーズ」などを初披露
ロームは「TECHNO-FRONTIER 2017」(テクノフロンティア/会期:2017年4月19〜21日)で、「SMART INDUSTRIES BY ROHM TECHNOLOGIES」というテーマを掲げ、電源とSiCパワーデバイスを中心に、システムの省電力化や高効率化を実現する製品群を紹介する。アナログ技術をフル活用した「Nano Pulse Control」「Nano Energy」技術を搭載した電源ICを初めて披露する。