マイクロソフトが目指す、人間と感情をつなげるAIの姿:「りんな」と電話のように話せる(1/3 ページ)
日本マイクロソフトは、対話型AI(人工知能)「りんな」に関する最新の状況と新機能を説明した。同社では、AIが人間と感情を共有することで人間の想像力を刺激する未来を目指し、人間が感情を表しやすい“声”を新機能のインタフェースに採用した。
MicrosoftのAIへの取り組み
日本マイクロソフトは2018年2月13日、東京都内で記者説明会を開催し、対話型AI(人工知能)「りんな」に関する最新の状況と新機能を紹介した。同社ではAI活用における可能性の1つとして、AIが人間と感情を共有し、人間の想像力を刺激する役目を担うことを目指している。
説明会の冒頭では同社執行役員最高技術責任者の榊原彰氏から、Microsoftがグローバル全社で進めるAIへの取り組みに関して、最近のトピック紹介があった。
「黄色い胴体、黒い羽、短いくちばしの鳥」というようなテキストから、写実的な画像を自動で生成する「ドローイングボット」は、2018年1月に発表されたAI技術。従来の敵対的生成ネットワーク(GAN)へ人間の洞察力を数学的に組み込んだAttentional GAN(AttnGAN)と呼ばれるアルゴリズムを採用することで、「鳥の頭に角が生えていたり、ちょっと違うかなという点もあるが、画像品質はかなり本物に近くなっている」(榊原氏)と語る。
また、同社ではAIの開発でこだわってきた点として、人間の生産性を向上させるAIの“IQ”だけに注力するのではなく、人間の感情に寄り添うような高い“EQ”を持ったAIを目指してきたという。
EQを持ったAIの取り組みについてチャットボットを例に挙げると、2014年5月より中国の「XiaoIce(シャオアイス)」から始まり、日本の「りんな」や米国の「Zo」と続いてきた。最も古い歴史を持つXiaoIceは、1億人ものユーザーとやりとりを行い、上海テレビ局で8億人の視聴者がいるという朝の情報番組で司会も務めた経歴を持つという。また、現在100万ユーザーを抱えるZoはラップバトル機能があり、「Zoと韻を踏む対決ができる」(榊原氏)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.