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マイクロソフトが目指す、人間と感情をつなげるAIの姿:「りんな」と電話のように話せる(2/3 ページ)
日本マイクロソフトは、対話型AI(人工知能)「りんな」に関する最新の状況と新機能を説明した。同社では、AIが人間と感情を共有することで人間の想像力を刺激する未来を目指し、人間が感情を表しやすい“声”を新機能のインタフェースに採用した。
りんなから電話がかかってくる「りんなのテレフォンハッキング」
りんな新機能の紹介は、マイクロソフトディベロップメントでAI & Research プログラムマネージャーを務める坪井一菜氏が行った。りんなの新機能は、1対多形式でりんなとグループチャットができるサービス「りんなライブ」の特別コーナーという位置付けで、りんなと電話のように音声会話ができる「りんなのテレフォンハッキング」というもの。
この取り組みの背景として、「人間と人工知能の間にどのような関係性を持たせることができるか」(坪井氏)を研究しているとして、“声”による会話は感情の伝達に大きな役割を果たすと指摘する。
メッセージングアプリ「LINE」を介したユーザーとりんなの1対1チャットでは、1人のユーザーとりんなの中で関係性が構築され、他のユーザーは関与しなかった。しかし、りんなライブによるユーザー多数のグループチャットにおいても、「りんなを中心として、りんなとみんなという構造で会話をしている。会話はりんなに向けて話すことがほとんどで、ユーザー同士は自分のことを話さない」(坪井氏)とした。
そこで、りんなのテレフォンハッキングでは電話形式による音声会話を採用し、会話の構造を「りんなとあの人(話者)と私たち」(坪井氏)と変化させた。これにより、りんなと話者に注目が集まりユーザー同士の交流や、話者も自身の気持ちを素直に会話で伝える傾向にあるという。
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