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三菱電機、AI技術で機器やエッジをスマート化成長戦略と社会貢献を支える

三菱電機は、研究開発成果を披露した。同社は成長戦略の実現と未来社会への貢献に向けて、研究開発に力を入れる。特に、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)は注力する研究テーマの1つである。

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国内外の大学や研究機関との共同研究を強化

 三菱電機は2018年2月14日、研究開発成果の披露会を開催した。研究開発の成果は、成長戦略を実現するための原動力となる。さらに未来社会への貢献も視野に入れる。同社が注力するテーマの1つがIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の領域である。今回はこれらの分野を含め、合計20件の研究開発成果を発表した。

 同社は2020年度(2021年3月期)に創立100周年を迎える。それまでに連結売上高5兆円、営業利益率8%以上を達成するという経営目標を掲げている。これを実現するために必要となる研究開発投資や設備投資を積極的に展開する。

 三菱電機の社長を務める棚山正樹氏は、「創立100周年はあくまでも通過点。成長を持続させるための研究開発を積極的に展開する。同時に環境や資源エネルギーの問題解決につながる研究で、社会貢献を果たしたい」と話す。続いて、常務執行役で開発本部長を務める藤田正弘氏が登壇。三菱電機の研究開発戦略と、主な研究開発成果を紹介した。

左は三菱電機の社長を務める棚山正樹氏、右は常務執行役で開発本部長を務める藤田正弘氏

 藤田氏は研究開発の基本方針として、「短期、中期、長期の研究開発をバランスよく推進する」ことを挙げた。具体的には、既存事業の強化、異なる技術や事業の組み合わせによる新たな価値の創出、国内外の大学や研究機関との連携強化(オープンイノベーション)による未来技術の開発などに取り組む。オープンイノベーションにおける2017年度の共同研究費は、2014年度に比べて3.3倍に増大しているという。

 2017年度の研究開発費は連結ベースで2120億円を予定している。売上高比率は4.8%となる。「2018年度の研究開発費は現在策定中だが、2017年度を下回ることはないだろう。これからも売上高比率で5%程度を維持したい」(藤田氏)と話す。研究開発費の配分は大まかに、短期の研究に対して50%、中期の研究に対して30%、長期と基礎の研究に対してそれぞれ10%となる。

左は三菱電機の研究開発費(連結ベース)の推移。右は研究開発の枠組みと研究開発費の配分 (クリックで拡大) 出典:三菱電機

 同社の開発戦略の中で注力している分野の1つがIoTとAIに関するテーマである。「数多くの機器を保有している当社の強みを生かして、これらの機器やエッジをスマート化する。カギを握るのがAI技術だ」(藤田氏)という。同社のAI技術「Maisart(マイサート)」の1つにコンパクトな人工知能がある。開発したアルゴリズムは、演算量を大幅に削減しても、従来と同等の推論結果を得ることができる。このため、高性能なGPGPUなどを搭載しなくて済み、機器やエッジなどへの組み込みを容易とした。

 研究開発中の適用事例も紹介した。代表例として、「ロボットによるバラ積み部品の取り出し」「カメラ映像からのヒト属性検知やふらつき検知」「複数話者の音声分離と再現」などを挙げた。

左は三菱電機のIoTとAIの開発戦略。右はAIの取り組み事例 (クリックで拡大) 出典:三菱電機

 最後に、今回披露する研究成果について、その概要を紹介した。合計20件の発表案件を、「スマート生産」「スマートモビリティ」「快適空間」「安全・安心インフラ」の4カテゴリーと、これらにまたがる「共通技術」に大別した。この中で、Maisart関連として6件を紹介した。


今回披露した研究成果 (クリックで拡大) 出典:三菱電機

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